鮨ノ蔵
他では体験できない驚きの寿司ワールド
※ 2024年1月現在の情報に更新しました。
札幌には数多くの寿司店がありますが、今回ご紹介する「鮨ノ蔵(すしのくら)」はその中でも間違いなく “一つの頂” に君臨している店でしょう。
それはこの店の僅か5席のカウンターを求めて、全国各地の食通たちが常に争奪戦を繰り広げているからです。
数年前、食通で知られる芸能人がテレビのグルメ番組や自身のブログで紹介したことなどでその名は全国に知れ渡り、今や札幌で最も予約の取れない寿司店の一軒になっています。
もちろん、それだけ人気になるのは知名度だけではありません。その料理、そして寿司の魅力があってこそのものです。
店内に品書きは無く「おまかせ」コースが1種類のみ(2024年1月に改訂になっています。別項参照)。
ご主人が厳選した食材に渾身の仕事を施した「おつまみ」(一品料理)と「握り」のセットで、それぞれ9品ほどで構成されます。
食材の旬や仕入などによって内容はその日ごとに変わるので、ここではある日の料理から何品かをご紹介しましょう。
日本酒の揃えも充実。料理に見事に合うものばかりです。普段お酒を召し上がらないというご主人のセレクトに驚かされます。
まずは「牡蠣」。
北海道・仙鳳趾(せんぽうし)の牡蠣を脱水して旨味を凝縮し、煎ったとろろ昆布をかけています。最初に出されたなら、その組み合わせ(の良さ・アイデア)に驚かされるでしょう。
その驚きはさらに続きます。
「たち」です。
北海道ではポピュラーな食材で真鱈(まだら)の白子のこと。
茹でてポン酢などでいただくのが一般的ですが、この店では丁寧な低温調理によって、その旨味と甘みを十分に引き出しクリーミーな食感に仕上げます。
そのたちを使ったもう一品、「たちのフライ」。
ただし、フライといっても熱くありません。「たち・パン粉・油それぞれを事前調理して最後に冷製として合わせる」手法とのこと。
その冷感と食感は最初不思議な印象ですが、食べ終わる時にはその味とともに魅了されてしまうでしょう。
「数の子トリュフチーズ」もこの店独自のもの。
数の子は「うに」などに比べて淡白な魚卵ながら、その食感が魅力の食材。その食感を活かしながら、トリュフチーズと合わせることで香りと旨味を加えています。
ワインにも合うお酒が進んで困るほどの酒肴です。
これら「たち・数の子の3品」は鮨ノ蔵のスペシャリテとされており、これを味わう為だけにでも 鮨ノ蔵の一席を確保する価値あり といえます(実際にそのようなお客様もいるそうです)。
後半は握りが一貫ずつ出されますが、中でも「いか」は半田ごてを使って焼きを入れることであまりに有名になった一品。
確かに生の食感と焼きの香ばしさのバランスが素晴らしい。
その他鯛やほたて・まぐろなど、ほとんどの魚が熟成されて旨味と甘味を増幅させています。
さらに鰆やきんきなど、北海道の寿司店ではあまり見かけないタネも、その熟成による深い味わいに唸らされます。
仕入れた食材をそのまま出すものは一つとして無く、どれもが計算し尽くされた味と食感の料理で、最後まで驚きの止まることがありません。
そのこだわりはネット上などで「変態鮨」などという称号を受けているほどですが、これが褒め言葉であることが納得できるほど満足感に溢れる料理であり、他では味わえない寿司の世界がここにはあります。
ご主人は調理に集中するゆえに一見気難しそうですが、話をすればとても気さくで、料理内容などについても気軽に教えてくれます。
完全予約制で18:00〜と20:30〜の二部制。支払いは現金のみ。
現在予約は「TERIYAKI Booking」からの受付となります。
その他の写真
店データ
- 店名
- 鮨ノ蔵 Webサイト
- 住所
- 札幌市中央区南2条西4丁目 乙井ビル B1F
- 電話番号
- 080-3296-0202
- 営業時間
- 18:00〜、20:30〜(完全予約・二部制)
- 定休日
- 日曜日
- アクセス
- 地下鉄大通駅 徒歩5分
- 予算
- 15〜20,000円