豊平区に「札幌つけ麺」の看板を掲げ、毎日行列のできるほどの人気店が「風来堂（ふうらいどう）」。

その風来堂が、札幌中心部の新たなランドマークとしてオープンした「ココノススキノ」の4階に設けられたラーメン飲食スペース「ミングル（みんなのグルメ）」に満を持して2号店を開店しました（2024年9月）。

店名には「札幌つけ麺」を掲げますが、それは一般的な豚骨魚介ダブルスープ系ではなく、札幌ラーメンの標準ともいえる「味噌」味にこだわるつけ麺。食材も道産ものを中心に使い “札幌らしい” つけ麺を指向しているからです。

ここ「ミングル」はフードコート仕様のスペースに現在5店舗が営業中。各店カウンターで注文後、呼び出しベルを預かり、好きな席で出来上がりを待ちます。

窓際の席なら下には市電の走る姿、目を上げればすすきの名所ノルベサの観覧車の眺めが視界に飛び込みます。

今回は看板メニューである「特製味噌つけ麺」を注文。通常の「味噌つけ麺」との違いはチャーシューの増量（5枚入）に味玉付きであること。

注文時に麺の「温or冷」を聞かれます。つけ麺のデフォルトは「冷」ですが、寒い北海道では「温」もおすすめ。さらにもう一つの理由が「温」を後押しします（後述）。

出来上がりの呼び出しがあり、受け取った盆に乗る麺を見れば、最近すっかり流行となった “麺の下に出汁が入る” スタイル。
この店の出汁は鰹と煮干しによるもので、その旨味をしっかり引き出しています。

まずはこのスタイルお決まりのとおり「麺」だけそのまま味わいます。

すると口に広がる小麦の香りと味わい。これはこの店独自の「一本挽き」という外皮以外の小麦を丸ごと挽いた製法で、もっちりした食感も楽しめます。

スープは濃厚な味噌味。コクもしっかり感じさせながらキレも良い仕上げ。自慢の麺ともよく合います。

チャーシューは旭川名物「豚トロ」系のもので、濃厚なスープとも相性抜群です。

具のメンマは塩ゆず風味で出汁ともよく合います。

麺を食べた後に残る出汁はつけ汁に “割りスープ” として投入。

スープの濃厚なコクと出汁の旨味が混じり合い、さらに味わい深いスープとして楽しめますよ！

この割りスープが先に「温」の麺をおすすめした理由です。出汁が温かい方が割りスープには向いているからです。

なお店内にはスープを温め直す電子レンジも置いてありますよ。

この「札幌つけ麺」はもちろん風来堂の看板メニューですが、「札幌ラーメン」もショルダーネームから外していません。札幌ならではの「味噌スープ」に対する強いこだわりを感じさせます。

その味噌ラーメンもつけ麺同様「特製」と「通常（品名は味噌ラーメン）」があり、その違いも同じ。

なので、ここでは「味噌ラーメン」に「味玉」をトッピング。さらにココノ独自メニューでしょうか、目を引く一品「カニチャーハン」とのセットでいたただきました。

麺はやはり札幌味噌の定番である “中太縮れ麺”。

濃厚な味噌スープがしっかりと絡みます。

そのスープは魚介の味わいに味噌がよく馴染み、全体のバランスを取る出色の出来。

チャーシューはつけ麺同様の豚トロタイプ。

作りの丁寧さを感じるメンマは食感も良し。

丼全体で完成度のとても高いラーメンといえるでしょう。

「カニチャーハン」はややあっさりな味付けで、その分濃厚な味噌スープにピッタリ！

どちらかといえば観光客向けかと思えるものの、これはこれで独自にその存在を主張しています。

さて、すすきのに進出した風来堂。
豊平の本店では行列が当たり前でしたが、ここはフードコート式で席もたっぷり（200席とか！）なので、ピークのランチタイム以外は比較的ゆっくりと食事を楽しむことができますよ。

札幌の中心からは少し離れたところにある行列店の味を、すすきのという街の真ん中で気軽に楽しめる。これぞここ「すすきの店」の価値といえるのではないでしょうか。