デリー
東京の老舗カレー店「DELHI」の暖簾分け
「デリー(DELHI)」といえば、東京でも老舗の一軒に数えられるカレー店です。
創業は昭和31年(1956年)。以来、インドやパキスタンの料理をベースに研究と工夫を重ねて日本人の味覚に合う「デリーのカレー」を作り上げ、東京を代表する人気店になりました。
上野(湯島)を本店とし、一時は店舗を首都圏に数多く展開した時期もありましたが、現在では本店と銀座店、本店近くの「アトリエデリー」の3軒が直営店となっています。
札幌店は昭和57年(1982年)、東京で働いていた店主がデリーの暖簾分けを許されて独立した店。
まだ札幌に「スープカレー」というメニューが無かった時代です。
ご主人夫婦だけで営業しておりメニューも絞られていますが、デリーの定番でもある「カシミールカレー」や「コルマカレー」「デリーカレー」はしっかりと用意されています(味作りは札幌オリジナル)。
「カシミールカレー」はデリーの代名詞とまでいわれる人気メニュー。
その特徴は辛さとその色にあります。
カシミールカレーの色は黒、いわゆる “真っ黒なカレー” です。
これは視覚でも辛さを訴えることを狙ったアイデアで、その色はカラメルによるもの。
日本のカレーによくある「ジャガイモのとろみ」が辛さを中和してしまうことから、スープカレーのような仕上がりで辛さを追求しています。
ただし、今どきの辛口スープカレーに比べると少し辛い程度。
決して “激辛” を売りにしたものではありません。
注文の方法は、まず「具材」を選びます。
「鶏肉・ラム肉・野菜・鶏の挽肉」の4種類があり、追加注文として、ゆで卵やトマト・ピーマンなどの野菜。付け合わせに薬味セット・胡瓜ピクルス・チーズ・レモン・アチャール(インドの漬物)などが用意されています。
具材の次はカレーの「種類」を選びます。人気の「カシミールカレー」を含めて4種類。
「コルマカレー」。辛さはなく玉ねぎの甘さを活かしたポタージュのようなカレーで、本店の同メニューとはかなり異なる札幌店独自のものです。
「デリーカレー」は、カシミールより辛さを抑えたカレー。
野菜の旨みにスパイスが効いた味で、色もカシミールのような黒さではありません。
そして「チキンスープ」。札幌店オリジナルのメニューです。
ココナッツの香りがするオニオンスープで、辛さのないタイプ。店ではご飯にかけず、スープとして味わうことを推奨しています。
以上、4種類の具材に4種類のカレーで、合計16種類の組み合わせから選ぶことになります(肉の追加注文も可能です)。
テーブルの上には赤色のスパイス(カイエンペッパー)が置いてあるので、辛さが欲しいときは追加して調整することもできます。
どのカレーにも深い旨みがあり、ライスも常にカレーがしみ込みやすい固さに炊き上げているところに、名店デリーの伝統を感じます。
この店ではカレーを2種類注文すると、合計金額から500円引き。ライスの大盛も無料になるので、しっかりと食べたい時にはおすすめです。
なお、店内は6席・4席・2席という3つのテーブルしかないので、通常でも相席になります。
最近では営業時間が(短く)変更になったり、満席でなくても(お客さんがまとまって入った直後など)入店を断られる場合があります。
ベテランご夫婦だけの営業であり、手抜きのない仕事をするご主人ゆえ止むを得ないことでしょう。
ご承知おきのほどを。
店データ
- 店名
- デリー(DELHI)札幌店
- 住所
- 札幌市中央区南3条西1丁目 狸小路1丁目南側
- 電話番号
- 011-231-8461
- 営業時間
- 11:30〜14:30、17:30〜19:00(変更もあり)
- 定休日
- 木曜日
- アクセス
- 地下鉄大通駅35番出口 徒歩5分
- 予算
- 〜1,000円