バンケット
北海道の風土に根差す気鋭のフレンチ
北海道は誰もが認める“食の宝庫”。そんな北海道の豊かな食材を本場仕込みのフレンチ料理人が仕上げる料理とは、どんなに素晴らしいものでしょうか。
「フレンチレストラン バンケット」は札幌でそれを体験できる数少ない一軒です。
オーナーシェフである若杉幸平さんはフランスの三つ星レストランをはじめ数々の名店で修行を積み、平成18年(2006年)札幌に「バンケット」を開きました。
フレンチの技法により北海道や国内の厳選素材はもちろん、フランスの食材をも新たな料理に作り上げていくという “食文化の融合” を大切なテーマとしています。
「バンケット」ではランチ・ディナーとも1日2組の完全予約制なので、落ち着いた店内でゆっくりと食事を楽しむことができます。
料理はもちろん日替わりになります。ここではある日のディナーコースの内容をご紹介しましょう。
「アンチョビを挟んだチーズのサブレ」
最初にテーブルに登場するのは、もはやこの店の名物アミューズ。チーズの風味にアンチョビバターの香りと塩気が食欲をそそります。
「江別産赤パプリカのババロワ」
フレンチ好きなら思わずにっこりしてしまう一品。スプーンで口に運びつつ、この料理の由来に想いを馳せることでしょう。
「自家製パン」
一見普通のパンという見た目に反して、口に含めばその香ばしさと旨味がいっぱいに広がることに驚きます。添えられるトリュフバターとの組み合わせは、それだけでワインのおつまみに十分なほどです。
「函館産本マグロのタルタル フランス産マッシュルームのクーリー」
本マグロとマッシュルームという意外な組み合わせが、想像以上の相性をみせてくれます。
「長崎産天然鯛 新ジャガイモのピュレ 枝豆 春菊のソース」
これも組み合わせの妙。和洋のエッセンスを凝縮したソースと枝豆の食感が天然鯛を盛り立てます。
「福岡産赤ハタ 江別産なす 高台寺とうがらし」
赤ハタ、なす、とうがらし、と一見バラバラの食材に思うものの、小海老とソースを含めたトータルな味わいに納得です。
「島牧産平目のヴァプール 島牧産天然本しめじ」
海と山に囲まれた島牧村らしい食材の組み合わせ。そしてここでも「豆」の食感がアクセントを担います。
「むかわ産エゾ鹿のロースト 道産夏野菜のパピヨット」
信頼関係にある狩猟家から届けられる「エゾ鹿」を使用。特にタン(舌)は市場に出回ることのほとんどない希少品で、その深い旨みを味わえます。
野菜のパピヨットは、目の前で(包み焼きの)紙を破ってエゾ鹿の皿に盛り付けてくれるので、その香りがフワッと広がります。
追加の「フロマージュ」。
青カビとウォッシュタイプのチーズで、添えられたライ麦のパンとも好相性。すすめてもらったデザートワインでいただきました。
「新潟産シャインマスカット レモンのクリーム 京極のふきだし湧水のジュレ」
まずは爽やかなことこの上ないシャインマスカットの瑞々しい食感に、レモンのクリームがまろやかな甘味を加え、京極湧水のジュレはまさに北海道ならでは。
「チョコレートのマカロン」と「コーヒー(紅茶・ハーブティー)」をいただいて、本日のコースは締めを迎えます。
メニューには江別、函館、島牧、むかわ、京極と北海道の産地が記された食材が並び、さらには長崎・福岡など全国レベルでアンテナを張っている姿勢もうかがえます。
さらにフランス産のマッシュルームなども味の盛り立てに一役買っており、まさに融合した食文化を感じることができます。
圧巻は本マグロに始まる4皿で、厳選した魚と野菜、ソースの組み合わせが見事。さすがはフランスの三つ星レストランで魚料理の担当を務めたシェフの料理です。
肉料理も「エゾ鹿」という北海道ならではの食材を使い、特に希少な「タン」は旨味の塊ともいえるものでした。
フレンチで気になるのは「ワインの選択」かもしれませんが、バンケットでは料理に合わせたワイン(シャンパーニュ・デザートワインも含む)がグラスで用意されているので、安心して注文することができます。
今回はディナーコースをご紹介しましたが、ランチタイムも2組限定でお席が用意されているので、気軽にバンケットの料理を味わうのにおすすめです。
北海道の風土に根差しつつ、フランスの食文化との融合を楽しめるレストラン「バンケット」は、今札幌で最も勢いのある気鋭の一軒といえるでしょう。
その他の写真
店データ
- 店名
- フレンチレストラン バンケット Webサイト
- 住所
- 札幌市中央区南4条西18丁目2-23 ピュアコート円山 1F
- 電話番号
- 011-562-1221
- 営業時間
- 12:00〜14:00、18:00〜20:00
- 定休日
- 月曜日・火曜日
- アクセス
- 地下鉄東西線西18丁目駅 徒歩5分
- 予算
- 15〜20,000円