一徹

夜は居酒屋に変身する狸小路のラーメン店

一徹

※ 2023年11月現在の情報に更新しました( 夜の一部料理の最新価格は確認が取れていません)。

札幌の数あるラーメン店でも、夜にはこれほど見事に居酒屋に変身する店も珍しいのではないでしょうか。それは、狸小路の7丁目に店を構える「一徹(いってつ)」です。

ディープ感漂う狸小路7丁目

ディープ感漂う狸小路7丁目

ここ、実は30年前には知る人ぞ知る札幌ラーメンの名店「富公」だった場所。
その店舗を富公の常連客だった現主人が、ほぼそのままの形で引き継いでいます。

この店のラーメンもかつての富公を彷彿とさせるもので、具を炒める時に立ち上がる炎やラードが溶け込むスープが特徴。これこそまさに “富公スタイル” なのです。

それだけに「味噌ラーメン」(800円税込)は札幌の標準ともされる「純連・すみれ」系のものとは一線を画しています。具材をしっかり炒めたオーソドックスなタイプで、ラードもスープに浮かぶというより乳化によって溶け込んでおり、独特の香ばしさを漂わせています。

独特な「正油ラーメン」

独特な「正油ラーメン」

それは「正油ラーメン」でも同様で、見た目には味噌ラーメンとほとんど変わらないほど。
豚骨にラードや野菜の旨味もを感じるラーメンで、麺も(旭川などで多く使われる)中細でスープを程よく吸ってくれる低加水寄りの麺です。
地元客は味噌より正油ラーメン贔屓が多いようにも思えます。

この店、ランチタイムには本業のラーメン店として営業していますが夜になると一転、料理自慢の居酒屋に変身します。
ラーメン屋だと思って入店、そしてメニューを見ると、おすすめの最初に「本マグロ刺」(980円以下全て税抜)とあるのにビックリ。そんなユニークなお店です。

ワインにもよく合う「マグロからし醤油漬」

ワインにもよく合う「マグロからし醤油漬」

マグロの刺身で驚いた後、さらにメニューを見てみると「マグロからし正油漬」(750円)や北海道名物でもある「新子焼」(1,350円、若鶏をタレ焼きにしたもの)などもあります。

その他居酒屋の定番「冷奴」には北海道らしく “三升漬” をトッピングして出してくれます。

「冷奴」にもひと工夫

「冷奴」にもひと工夫

さらにさらに「水ギョウザ」(580円)「ギョウザ」(各550円)「もやしいため」(460円)という中華メニューに加え、「ポテトアミー」や「ポテトアンナ」(各770円)という謎の料理名が目に留まります。

謎の料理「ポテトアミー」

謎の料理「ポテトアミー」

「ポテトアミー」はジャガイモの千切りにチーズと玉ねぎ・コンビーフを入れて焼いたもの。
「ポテトアンナ」は丸ごとのジャガイモにチーズを乗せて焼いたもので、ともにご主人のオリジナル料理。
このご主人、元々は洋食のシェフだったと聞けばそれも納得でしょう。

そしてこの店で外せないのが「羊すじの煮込」(700円)。
一徹は姉妹店として、隣(裏)でジンギスカン店も営業しています(店名「アルコ」)。

名物「羊すじの煮込」

名物「羊すじの煮込」

生のマトン肉が売りで、仕入れた羊をご主人が毎日ジンギスカン用の肉に捌きます。
その時に出るジンギスカンでは使わない「すじ」の部分を得意の洋風料理に活かし、ビーフシチューならぬ「マトンシチュー」に仕上げたところ人気を集め、店の名物となったものです。

さらに羊肉は、4種類の味が楽しめる「羊のラビオリ」(850円)としても活用しています。
ワインを飲みながら「羊すじの煮込」や「ラビオリ」を味わっていると、この店がラーメン屋であったことはすっかりと忘れてしまうほどです。

もちろん最後は、自慢の「ラーメン」で締めるのが常連客のお決まりになっています。
一軒だけで “締め” まで完結できるのも、ここ一徹の魅力といえるでしょう。

その他の写真

店データ

店名
一徹
住所
札幌市中央区南3条西7丁目3
電話番号
011-221-1451
営業時間
11:30〜14:00、17:00〜L.O.19:30頃
定休日
日・月曜日
アクセス
地下鉄大通駅・すすきの駅 徒歩約8分
予算
2〜3,000円

おすすめメニュー

  • みそラーメン:800円(税込)
  • 正油ラーメン:800円
  • 羊すじの煮込み:800円
  • ポテトアミー:770円
  • マグロからし正油漬:750円
  • タコのエスカルゴバター風味:660円