すし 宮川
今や札幌を代表する寿司の名店
今や札幌を代表する寿司店といえる「すし 宮川」。
あのミシュランガイドでも三つ星に輝き、その知名度は全国的に。その僅か7つの席を確保するために “我も我も” と集まるのだから予約を取るのも困難を極めます。
幸運にも席が確保でき店を訪れ、席に座って気付くのが、カウンターとつけ場の高さが同じこと。
親方の仕事ぶりをライブ感とともに眺めることができる造りになっています。
メニューは「おまかせ」のみで、前半は一手間かけた魚や旬の野菜との組み合わせを味わえる酒肴が6品ほど。“おつまみ” というより “料理” として完成しているので、お酒を飲まない方でも楽しめるものばかりです。
中でもスペシャリテとして人気なのが「蒸し鮑」。
鮑の煮汁と肝で作る旨味たっぷりのソースとともに提供されます。
蒸し鮑には(ソースとの絡み方まで計算されてか)包丁が細かく入れられており、鮑を噛むほどにソースとの旨味が相乗効果となり、深く広がっていきます。
鮑を食べた後には器にソースとシャリ(すし飯)を入れてくれます。
これを混ぜていただけばリゾットのような、しかしそんな言葉では表せない “不思議な満足感” を味わえることでしょう。
後半の握りは10貫ほど。タネは時期ごとに全国から旬のものを仕入れており、それらに仕事を施して握ってくれます。シャリは赤酢の酸味がほどよい米の粒感がしっかりしたもので、どのタネとも見事な相性を見せてくれます。
「中トロ」は柵漬けで、シャリとのバランスが秀逸。
札幌ではあまり見かけない「車海老」も香りと甘みを残す仕上げで、ともにさりげなく江戸前の仕事を施しています。
食べやすい工夫もされており、「うに」は小さな器から匙ですくっていただきます。
独特の味付けや海苔の香りなど、ただの軍艦や握りとは違う味わいが楽しめます。
「穴子」は締めの一品に好適。あるいは江戸前らしい「かんぴょう巻き」やデザート的に “ふんわり” ながら “しっとり感” もある「玉子焼き」なども粋なラストになるしょう。
「すし 宮川」は、客席数からは考えられないほどスタッフがしっかり配置され、食事の間中満足のいくホスピタリティが得られます。
そして何より親方の常に湛える微笑みとその接客が、居心地の良さを感じさせてくれるのでしょう。
物腰柔らかに、お客様ごとに分け隔てなく丁寧に料理の説明をしてくれる親方の対応には有名寿司店にありがちな敷居の高さや緊張感はありません。
食事を終えて満足感とともに店を後にするときには、きっと「何度も通って一年の旬を味わってみたい」と思うはずです。
※ 当記事は旧店舗での取材内容に基づいたものです。
その他の写真
店データ
- 店名
- すし 宮川 Webサイト
- 住所
- 札幌市中央区北4条西25丁目2-2 リヒトラーレ円山1F
- 電話番号
- 011-613-2221
- 営業時間
- 1部17:00〜19:15、2部19:30〜
- 定休日
- 水曜日
- アクセス
- 地下鉄東西線西28丁目駅 徒歩3分
- 予算
- 30,000円〜