夏の積丹は「絶景」と「うに」グルメ!札幌から巡るドライブコースをご紹介
北海道の雪が解け、春の暖かさを感じると夏はもうすぐそこ。北海道には“夏ならではのグルメ”があります。中でもおすすめなのが「積丹のうに」です。
今回は積丹の「うに」を食べに、札幌から日帰りで出かけるドライブコースをご紹介します。
“積丹ブルー”の海を眺め、海と山、大自然の恵みを享受する。そんな北海道の夏を満喫できるプチ・ツアープランです。
「積丹」ってどんなところ?
「積丹(しゃこたん)ってよく耳にするけど、行ったことない。どんなところ?」とよく聞かれます。
確かに交通の便は良いとはいえず、電車での訪問はまず不可能。ならば車で行くしかない、というちょっと離れた場所なので、観光でもあまり行ったことがないという人が多いのではないでしょうか。
しかし日本海に面したその景観は見事で、その海で獲れる魚介も豊富な“グルメスポット”でもあります。
札幌を朝早めに出れば昼までに到着できる(グルメランチが楽しめる)ので、ドライブコースとしては特におすすめの地域といえます。
「積丹」は北海道の西部、積丹半島にある土地の名で、小樽から海岸線を車で一時間ほど。
小樽からは余市〜古平町を経由して「積丹郡」に入りますが、近年は後志自動車道の小樽〜余市IC間が開通して少し便利になりました。
途中はトンネルがたくさんありますが、トンネルを抜けた最初の街が「美国町」です。
ここから積丹「美国町」
余市から古平郡古平町を過ぎると「美国町(びくにちょう)」に入ります。
美国町はかつて独立した町として存在していましたが、現在は周囲の町と合併して「積丹町」に入り、美国町は積丹町の行政区画(字)としてのみ残っています。
この美国町からが正式な「積丹」ということになります。
美国港
美国町は美国港を持ち、鮭やソイ、ホッケ、アイナメなど魚種が豊富な釣りスポットとして知られています。
近くには「黄金岬」などの景勝地もあり、観光船「ニューしゃこたん号」が出航する場所としても有名です。
「ニューしゃこたん号」は、北海道で唯一「海中公園」に指定されている積丹の「海の中を船内から見ることができる」ユニークな観光船です。
海の中の海藻や岩、泳いでいる魚、そして積丹名物の「うに」までも眺めることができます。
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美国観光ハウス
美国は“グルメの名所”ともいわれます。北海道グルメを満喫できる飲食店や宿泊施設が数多くあるからです。
その中の一軒、「美国観光ハウス」は「ミシュランガイド北海道」で2回連続で星を獲得した名店。
地元名産の「うに」を中心とした海鮮の会席料理は、北海道の美食を満喫できるコースになっています(宿泊料金は1泊夕朝食付きで18,000円〜、税・サ込み)。
- 店名:美国観光ハウス
- 住所:北海道積丹郡積丹町美国町船澗49
- 電話番号:0135-44-2100
- 営業時間:15:00〜
- 定休日:無休
- アクセス:小樽から車で約1時間
- 平均予算:一泊二食18,000〜、詳細は公式サイトで確認ください
積丹ブルーと「うに」
積丹の海は「積丹ブルー」と呼ばれる青く輝く海に奇岩が浮かび、断崖絶壁の海岸線とともに、その見事な景観を見せています。
美国からさらに海沿いを進み、途中道道913号を海岸方面に折れてさらに進むと「島武意海岸(しまむいかいがん)」があります。
島武意海岸
島武意海岸は「日本の渚100選」にも選ばれたほどの景観が人気のスポットです。
その駐車場からトンネルを抜けると展望台、そこから浜辺には階段で降りるというまさに積丹ならではの地形で、目の前には真っ青で透明な積丹の海が広がっています。
うに膳屋
島武意海岸からすぐ近くには、うに料理の名店「うに膳屋(ぜんや)」があります。
元々は旅館として営業していましたが、現在はうに漁のある6月〜8月の土・日(祝)だけ「うに丼」を中心とした食事処として営業しています(祝日の営業はご確認ください)。
うに丼は時価になりますが、直近(2019年)実績では「むらさきうに丼(うに110g)」が3,300円、「ばふんうに丼(110g)」が4,800円弱、両方楽しめる「うにうに丼」が4,200円です。それぞれに汁と一品料理、複数の小鉢がついた「お膳」がプラス450円(お得です)で用意されています。
丼の値段を見てビックリかもしれませんが、これが本物の「うに」の値段です。
この店は事前予約制ですが、これは積丹にある他の店にない特徴です。
積丹の飲食店(ウニ丼屋)は基本予約ができず、混雑時は並ぶしかありません。最悪、売り切れで食べられないなんてことも。
その点、この店は予約が可能なので安心して店に向かうことができます。
(ただし2020年は1日10組限定となります)
- 店名:うに膳屋
- 住所:北海道積丹郡積丹町入舸16-1
- 電話番号:011-221-2242
- 営業時間:土曜日11:00~16:00、日曜日は15:00まで、売り切れ次第終了
- 定休日:月〜金曜日
- アクセス:小樽から車で約90分
- 平均予算:3~6,000円
ムラサキウニとバフンウニ
積丹の名物でもある「うに」ですが、一般的にはムラサキウニとバフンウニが流通しています(その他のものもあります)。積丹では「キタムラサキウニ」と「エゾバフンウニ」が捕獲されます。
白っぽい色で個体に長めの棘があるのが「キタムラサキウニ」、濃いオレンジ色で束子のような馬糞状の形をしているものが「エゾバフンウニ」になります。
積丹で獲れるうにの8割がキタムラサキウニで、エゾバフンウニは漁獲高が少ないので、値段も高くなっています。うに漁の解禁期間は毎年6月〜8月です。
神威岬
島武意海岸をさらに西に向かうと、ここも積丹の観光名所「神威岬(かむいみさき)」があります。
積丹半島から日本海に突き出した岬で、半島側の駐車場からは1km近い長さの遊歩道(「チャレンカの道」)を20分ほど歩いてその先端に向かいます。
遊歩道の先端部は断崖絶壁、その先には神威岩という岩礁があります。ここからは周囲約300度が見渡せ、水平線は“地球が円い”ことを感じさせてくれます。
神威岬は積丹半島の最先端に位置するので、帰りはそのまま積丹半島の付け根の位置にある「岩内町から倶知安町、羊蹄山の麓を回り込み京極町から喜茂別町、そして中山峠経由で札幌へ戻る」というドライブコースをおすすめします。
京極ふきだし公園
神威岬から国道229号で岩内町へ、さらに276号を苫小牧方面に進むと1時間30分〜2時間で京極町にある「ふきだし公園」に到着します。
羊蹄山の麓にある京極町の「ふきだし公園」は、「羊蹄のふきだし湧水」として「名水百選」に選ばれているほどの名水で、1日約8万トンという国内でも最大級の湧水量を誇っています。
滝のように流れ出る吹き出し口の横には取水場所があり、自由に水を飲んだり持ち帰ることができます。
この水でご飯を炊いたり、お茶やコーヒーに使ったりすれば、“ひと味違う”ことを感じるはずです。
公園内には道の駅も併設され、名水を使ったコーヒーやコーヒーゼリーが名物として人気になっています。
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羊蹄山
ふきだし公園の自然の恵みを与えてくれているのが、別名「蝦夷富士」とも呼ばれる「羊蹄山(ようていざん)」です。
標高1898mの単独峰の成層火山で、その別名通り富士山を思わせる景観は見事なものですが雲がかかりやすく、その美しい全体の姿はなかなか見ることができません。
岩内町から国道276号に入ると、喜茂別を過ぎるまでその勇姿を眺めることができるので「羊蹄山が見えるか見えないか」は、このドライブでの楽しみのひとつになるでしょう。
中山峠
喜茂別からは国道230号で山越での札幌帰還です。その山の上にある名所が「中山峠」で、国道230号の最高地点になります。峠の頂上には道の駅「望洋中山(ぼうようなかやま)」があり、ここからは再び羊蹄山を眺めることができます。
「望洋中山」のレストランでは「いももち」や「あげいも」が名物グルメとして人気になっています。
中山峠からは札幌中心部まで車で約80分。「いももち」で腹ごしらえ、最後のひと頑張りで無事に帰りましょう。
積丹の絶景とグルメなドライブを楽しもう
北海道の自然の恵みを満喫できる観光スポット「積丹」への日帰りグルメツアーのプランをご紹介しました。
海は積丹ブルーの景観とともに、最高の美味をも提供してくれます。
特に「うに丼」はその美味を贅沢に味わえるグルメです。そして羊蹄山から湧き出る名水は最高の「お土産」にもなります。
この贅沢ができるのは、6月から8月までの夏の間だけ。この時期を逃すことのないよう、しっかりプランを組み立ててグルメなドライブを楽しんでください。