居酒屋とくさ
看板の無い隠れ名居酒屋
※ 料理価格は訪問時のもので、現在は改定の可能性があります。
隠れた名店、穴場の店、あまり教えたくない店。
今回ご紹介する「居酒屋とくさ」はまさにそんな一軒です。
場所は札幌中心部からは少しだけ離れており、地下鉄の西18丁目駅・西28丁目駅・JR桑園駅のちょうど真ん中、どの駅からも徒歩15分程度かかります(※)。
店には看板も無く入口に菰樽が置いてあり、扉に10センチ四方くらいの徳利とお猪口のイラストが描かれたボードが貼ってあるだけ。
知らなければ間違いなく素通りしてしまう店構えですが、実は札幌の酒通・食通の支持を受ける知る人ぞ知る店なのです。
店内はユニークな形をしたカウンターに小上がり席。満席でも20人に満たないであろう造りですが、酒器などが飾られた和風の店内にピアノを見つけて少々驚くかもしれません。
この日はその曲線を描くカウンターに着席。目の前には手書きのメニューが置かれています。
手書きなのは旬の食材を提供するがゆえ、時期や日ごとに品書きが変わるからです。
生ビールを注文すると一緒にお通しが出てきました。一見具材が見えないので卵豆腐のような見た目です。
ひと口含んでみれば茶碗蒸しであることが分かりますが、中身はなんとすっぽん!。
プルプル柔らかい肉身がしっかり入っていて旨味もたっぷり。
こんな「お通し」にはなかなかお目にかかれません。この時点で この店 “只者ではない” 予感が漂います。
料理は基本日替わりになるので、今回はある日のメニューをご紹介しましょう。
まずは刺身系。「お造り盛り合わせ」は、その日の刺身のラインアップを一切れから数切れずつ盛り合わせてくれます。
この日は「真はた(福岡)釣りきんき(焼霜・根室)さわら(焼霜・福岡)やりいか(松前)にしんたたき(根室)本鮪赤身(塩釜)ほたて」。値段からは考えられない豪華な内容です。
しかも焼き霜やたたきなど仕込みを施し“つま”も丁寧な作り、薬味もわさび・生姜・塩を添えるなど半端なこだわりではありません。
刺身以外にも「真だちぽん酢」や「かき酢・なまこ酢」などの酢の物もあります。
この日は「なまこ酢」をいただきました。
その他、焼き物や揚げ物、一品料理も充実しています。
「手羽先のから揚げ」はひと手間かけた “チューリップ作り” で皮はカリッと、中の肉はジューシーという揚げ切りで、これを食べたら手羽先のイメージが変わるかもしれません。
日本酒も全国の銘酒をそろえており、これも入荷に合わせ手書きのメニューが用意されています。
この日は「而今(三重)・奈良萬(福島)・花陽浴(埼玉)」をセレクトしました。
これら日本酒がすすむ「珍味」類もいろいろ。
特に「サバのへしこ(糠漬け)」はこれぞ酒肴!と言わせるレベルの一品で、その他にも「からすみ」や「半生バチコ(ナマコ卵巣)」など、酒飲みには堪えられないものばかりです(これらは定番でほぼ常在)。
今回はある日実際にいただいたものを中心にご紹介しましたが、メニューは他にもその日の食材を使った「小鍋」や「雑炊」などもあって食事までしっかり楽しめるラインアップになっています(この日は「真だち」のみぞれ小鍋・雑炊がありました)。
「居酒屋とくさ」は、どの料理を食べても店名の居酒屋というレベルを超えたものばかり。
リーズナブルな値段だけがその肩書き(居酒屋)に相応しい、まさに隠れた名店といっても決して大袈裟ではないでしょう。
なおピアノは時々女将が演奏することあるようで、不思議な形のカウンターはグランドピアノのデザインであることにも気付かされました。
(※)並びにスイーツの名店「パティスリーシイヤ」がある場所といえば分かりやすいかもしれません。
その他の写真
店データ
- 店名
- 居酒屋とくさ
- 住所
- 札幌市中央区北5条西21丁目4-10 長内マンション 1F
- 電話番号
- 011-612-8158
- 営業時間
- 18:00〜(23:00)
- 定休日
- 日曜・不定休あり
- アクセス
- 地下鉄東西線西18丁目駅 徒歩15分
- 予算
- 6〜7,000円