マジックスパイス
「スープカレー 」名付けの店
札幌のご当地グルメとして今や誰もが知るスープカレー、市内には200軒以上の専門店があるとされています。
今回はこの「スープカレー」という料理名を初めて使った店をご紹介しましょう。
その店とは「マジックスパイス」。本店を札幌市の白石区に置き、東京・名古屋・大阪にも店舗展開する人気店です。創業は1993年(平成5年)、インドネシア料理の「ソトアヤム」(鶏スープ)を食べた創業者が日本でもその味を提供すべく独自のアレンジを加え作り上げた料理を「スープカレー」と名付けたとされています。
その後「横濱カレーミュージアム」に出店して評判を呼び、スープカレーの名を広く知らしめることとなりました。マジックスパイスでは現在スープカレーの「元祖」(※)を堂々と掲げて営業展開を行っています。
マジックスパイスの本店は札幌白石区、地下鉄東西線の南郷7丁目から歩いて5分ほどの場所。初めての訪問ならまずその外観に驚くことでしょう。黒に赤をベースとした配色、ガネーシャ(インドの神様)などの不思議なキャラクターにデザイン。まるで遊園地の「魔法の館」を想起させるような奇抜さがあります。
大きな建物には不思議なほど小さめなドアを開けると玄関があり、そこで靴を脱いでスリッパに履き替えて入ります。店内も赤をベースにした煌びやかなネオン・ミラーボール、異国感たっぷりの雑貨類などカラフルで賑やかな雰囲気に満ち溢れています。
カウンター・テーブルに着席すると目の前にメニューが(貼られて)あるので、それを見て注文をしましょう。
メニューには「注文の仕方」が書かれており、まずはカレーを選びます。
「チキン」をはじめ、シーフード・ポーク角煮・ベジタブル・ハンバーグなど14種類。
特に北海道限定の「北恵道(ほっけいどう)」はチキンに道産野菜をたっぷり使った本店の一番人気メニューです。これらのカレーは「チキンベース(ソトアヤム)」か「トマトベース」を選べます。
次に辛さを選びます。「覚醒」から「虚空」までの7段階。辛さが苦手でなければ真ん中の「涅槃」あたりがおすすめです。
そして40種類以上の豊富なトッピングを選びます。独特なネーミングで初めてでは不明なものも多いので、遠慮せず店員さんに尋ねてみましょう。
グランドメニュー以外の限定メニューやトッピングもあるので一緒に確認することをおすすめします。今回は「北恵道」に「麻の実」をトッピングして注文しました。
定番のチキンレッグにジャガイモ・ニンジン・キャベツ・ピーマン・ブロッコリー・ナス・トウモロコシ・キヌサヤ・カボチャに豆類など(他にもいろいろ)たっぷりの野菜が入っています。
この店では野菜を一般的な “ゴロン” とした入れ方ではなく、細かく刻んでくれるためとても食べやすいのが特徴です。豆類が多く入っているのも珍しいかもしれません。その野菜の上には白い揚げ春雨(ポヤ)がトッピングされている独特なルックスです。
スープ(チキンベース)をひと口味わってみれば、あっさりした中に旨味がしっかり。そして塩気とスパイス感が一緒に迫ってくる印象です。
カウンター(テーブル)には調味料として、5種類の唐辛子をブレンドした「ホーリートリップブレンド」と30種類のスパイスをブレンドした「ミラクルトリップブレンド」、レモン・ライムを配合した「マジック酢」、そして塩・胡椒が置いてあります。
これらで自分の好みに調整することも可能です。
ライスには一片のパイナップルが添えられており、これがスパイシーな口中をリセットしてくれます。カレーを食べ終わることに味わってみれば、店の小さな気遣いに感謝することでしょう。
この店の多種多様なスパイスによる味の演出はまさにマジック。
非日常ともいえる摩訶不思議な空間で、店名通り「マジックスパイス」を堪能させてくれます。
(※)当時札幌には薬膳カレーを基とする「アジャンタ」などスープ状のカレーが既に提供されており、こちらを元祖とする説もあり、アジャンタ(総本家)自体も「元祖」を謳っています。ただしこれらの店が「スープカレー」を名乗ったのはマジックスパイス以降のことになります。
その他の写真
店データ
- 店名
- マジックスパイス 札幌本店 Webサイト
- 住所
- 札幌市白石区本郷通8丁目6-2
- 電話番号
- 011-864-8800
- 営業時間
- 11:00〜15:00、17:30〜22:00(土日は通し営業)
- 定休日
- 水曜・木曜日
- アクセス
- 地下鉄東西線南郷7丁目駅 徒歩5分
- 予算
- 1〜2,000円