鮨 八つ葉
中標津発の「蝦夷前」寿司を円山で
※「鮨 八つ葉」は2024年7月、「鮨わたなべ」と同ビル・同フロア(中央区南6条西4丁目 プラザ6・4ビル 6F)に移転しました。以下は移転前の記事となります。
「鮨 八つ葉(やつは)円山」は2021年11月、円山・環状通り沿いにオープンした新進の寿司店。中標津町でミシュランガイドにも掲載の名店「鮨わたなべ」、その札幌店(すすきの)の流れを汲む姉妹店という位置付けになります。
その寿司の特徴は北海道の恵まれた海鮮食材と江戸前の技術を融合させたもので、「蝦夷前」を謳います。
今回はその味を満喫できる「おまかせコース」をご紹介しましょう。
コースの内容は “わたなべ流” ともいうべき「寿司〜おつまみ〜締めの寿司」という寿司もお酒もたっぷり楽しめる構成です。
着席すると、まず目の前に置かれるのが…。
何と「牛乳」。
これは本店「鮨わたなべ」のある中標津町の「牛乳で乾杯条例」に基づくもの。
町の特産である牛乳をアピールする一環ですが、確かにおいしい牛乳は気分を落ち着かせますし、お酒の前の胃にも優しいことでしょう。
その後は…。
「ビール」でスタート。サッポロ「黒ラベル」とアサヒ「スーパードライ」があります。
お通しは「蝦夷もずく」の酢の物。
続いて目の前に賽子切りの「ガリ」が置かれ、さあ握りです。
一貫目は「ほっけ」。
「生で食べられるの?」と思うかもしれませんが、食べてみれば香り高くシャリとの相性も抜群。
焼き魚のイメージを覆し、握りのトップバッターとしての登場にも納得です。
「ぼたんえび」
一日塩で寝かせて脱水、寿司タネ向きの食感に仕込んでいます。
これはお酒がいただきたくなりますね。
各酒のラインナップの中でも特に「日本酒」には力を入れており、税込880円という手ごろな値段から用意されています。
最初は「三千櫻 純米 愛山60」から。
岐阜中津川で140年以上の歴史を持つ「三千櫻(みちざくら)酒造」が2020年、北海道上川郡の東川町で酒造りを始め、以来大きな注目を集めています。
続いての握りは「中とろ」。
「こはだ」
こはだの酸味でまぐろの脂をリセットするのも近年の “江戸前ストーリー”。
「めぬき」
「うに」
ここからおつまみ系の一品料理に入ります。
まずは「季節野菜と花咲蟹の真薯」の椀。
まさに「旬」という食材の組み合わせです。
お酒はこれも注目の「上川大雪」。
純米酒にこだわる「上川大雪酒造」の特別純米酒。料理にも刺身にもよく合います。
「ほたて刺身」
道内産の上物。ヒモの旨さは鮮度の証明です。
握りでいただいた「めぬき」を焼き物で。
添えられた「きゅうりの辛子漬け」もお酒にピッタリ!
そしてここで「酒肴盛り合わせ」がプレートで登場。
右上から自家製からすみの味噌漬け、左にたらこ醤油漬け柚塩昆布仕込み・ほっきと昆布の有馬煮、下に葉わさび漬け、右にフルーツトマト土佐酢・黒豆(口直し)という6種類の構成。
お酒が進んで困るほどの充実した内容です。
「茶碗蒸し たらば蟹内子乗せ」
ここからは “締めの寿司” に入ります。
まずは「まぐろ赤身漬け」。
「やなぎだこの頭」
「毛蟹のミソ和え」
お酒も王祿(おうろく)の純米吟醸「渓」で仕上げます。
ほのかに苦味も漂わせ、蟹にも玉子にも合う懐の深いお酒です。
「玉子」
ほたて・山芋・海老を使った贅沢な玉子焼き。
「味噌椀」
ラストは「ミルクアイス」。
乾杯にいただいた中標津の牛乳で作った味わい深いアイスです。
「お茶」をいただいておまかせコースの終了となります。
寿司でスタートし、おつまみ系の料理を挟み、再び寿司で締める。
一般に料理が先になるコースが多い中、“鮨わたなべ流” としては「寿司」にこだわった答えがこのスタイルなのでしょう。
お腹が満たされる前にまず、寿司の味をしっかり楽しめるというわけです。
「ほっけ」をはじめ「めぬき・ぼたんえび・ほたて・うに・たこ・毛蟹」など北海道の魚介をふんだんに使い、「漬け・こはだ」などの江戸前握りも加えています。
さらにお酒によく合うおつまみ系料理も充実。
姉妹店「鮨わたなべ 札幌店」の半額に近い値段ながら共通する鮨タネも多く、この内容なら文句なしにリーズナブルです。
近年益々の激戦区化が進む円山の寿司ですが、その中でもコスパは圧倒的ともいえる注目すべき一軒であることに間違いありません。
その他の写真
店データ
- 店名
- 鮨 八つ葉 Webサイト
- 住所
- 札幌市中央区南6条西4丁目 プラザ6・4ビル 6F
- 電話番号
- 090-1389-1828
- 営業時間
- 18:00〜22:00
- 定休日
- 月曜日
- アクセス
- 地下鉄南北線すすきの駅 徒歩5分
- 予算
- 15〜20,000円