すゝき野 鮨金
すすきので味わう“札幌流”江戸前寿司
すすきの交差点近く一本裏通りにひっそり店を構える「すゝき野 鮨金」。
この店では地元の魚介類はもちろんのこと、全国から旬の食材を取り寄せ、江戸前の技法も駆使して握るまさに “札幌流” 江戸前寿司が味わえます。
メニューは「おまかせコース」のみ。18時〜と20時半〜の2部制・同時スタートです。
では、この日のコース内容をご紹介しましょう。
まずはビールで乾杯。通好みの瓶ビール「サッポロラガー」通称 “赤星” から。
前半は酒肴中心の一品料理です。
おつまみの一品目は道内初山別産の「ひらめ えんがわ添え」。一晩寝かせて食感がよく、旨味も深まっています。
ここでやはり日本酒が欲しくなり「お任せ」で注文。
一杯目は「道産酒以外から行きましょうか?」というご主人の提案で青森の銘酒「田酒」の通称 “桜ボトル”「純米吟醸 百四拾」を出してくれました。季節感あふれる見事なチョイスです!
続く「ほたて」はその繊維に沿って割くことで食感の良さが活きています。
「かつお」は福井名産の地がらしを添え、上にはエシャレットを叩いた薬味を。
「茶碗蒸し」は何と道内雄武産毛ガニとフランス産ブルーチーズの組み合わせ。その相性の良さとご主人のアイデアに感服します。
「たこ」“柔らか煮” は噛むほどに旨味が出てきます。
「あん肝」は丁寧な裏漉しによりふんわりした食感に仕上がり、山葵と穴子の煮つめで味わいます。
「ほたての卵巣」はこの時期限定の珍味で、「レバ刺し」風に仕上げてくれました。
ここからは後半の「寿司」に入ります。
「中とろ」が2貫付けで登場。この日は宮城塩釜産171kgの本まぐろ。
築地時代からの付き合いという名門仲卸の「石司」からの特選もので、脂の乗りも抜群!
続いては「赤身」も “漬け” で。良いまぐろは赤身が旨い!
まぐろの後を担ってくれるのはしっかり締めた「こはだ」です。まぐろの脂を中和する効果もあります。
「車海老」もベストな蒸し具合によるシャリとの融合感はまさに職人技。
「さより」は何と桜の葉で香り付けしており、季節感たっぷりでした。
「すみいか」は丁寧な包丁がその食感に一役買っています。
「金目鯛」は脂の甘さを感じつつ最後は旨味もしっかりと。
「ほっき貝」は軽く炙ることで、食感の良さと旨味が際立ちます。
「あじ」はその包丁の技により口当たりの良さとシャリとのマッチングが見事!
「うに」は豊洲でも屈指のムラサキウニ。その旨さは感動もの。
この日の「穴子」は塩で素材の良さを味わいます。
「はまぐり」は丁寧な漬け込みで、貝ならではの食感と旨味を引き出しています。
ここで登場した「汁」は一口含むと何とも奥深い味わい。
ご主人に伺うと「エビ・カニ・金目鯛・ヒラメを使い4時間炊いています」とのこと。
なるほど!と納得です。
締めはカステラ風に仕上げた「玉子」。
熱々のお茶とともに、まさにデザート的に味わいました。
この日は前半のおつまみ系が7品、後半が握り12種でうち中とろが2貫なので計13貫+玉子+汁椀という充実のコース。
その内容は厳選した素材とご主人の技に “驚き” を感じるほどの創意も加えた丁寧な仕事。
握りはシャリの程よい赤酢感に米の立ち方も見事で、どのタネにも見事に融合しています。
さすがはミシュランガイドで星を獲得するなど、高い評価を受けている名店だと思わせてくれました。
なお、日本酒は青森の「田酒」でスタート後、
滋賀県松瀬酒造の「松の司」、宮城県平孝酒造「日高見」、山口県の「貴」と続き、道産酒も道内栗山町の小林酒造「北斗随想」を追加。どれも料理・寿司によく合うセレクトでした(写真は別項で)。
その他の写真
店データ
- 店名
- すゝき野 鮨金 Webサイト
- 住所
- 札幌市中央区南4条西4丁目7 松岡ビル 1F
- 電話番号
- 011-251-9521
- 営業時間
- 18:00〜、20:30〜
- 定休日
- 水曜日
- アクセス
- 地下鉄南北線すすきの駅 徒歩2分
- 予算
- 30,000円〜