金寿司
コスパ最強クラスの老舗寿司店
「金寿司(きんずし)」は昭和9年(1934年)創業という札幌でも屈指の老舗寿司店。
場所は札幌駅から東方面に1km強、駅なら地下鉄「バスセンター前駅」が最寄りで徒歩5〜6分です。
渋い店構えに店内に入れば昭和の雰囲気が漂います。カウンターの他、テーブル・小上がり・個室・2階席などもあり、古くはまさに大衆店だったことがわかる造りです。
営業も11時半から休憩無しの通し営業で、使い勝手も良し(その分閉店は19時半と少し早めなのでご注意を)。
寿司はお決まりの「にぎり」が税込2,200円からと本格派の寿司店とは思えないほどリーズナブルな設定。
ここではおすすめの「おまかせ寿司16貫」(税込7,150円、2024年6月現在)をご紹介しましょう。
まずは「生ビール」で乾杯。
軽いおつまみをお願いしたら「北海しまえび」を出してくれました。
「ガリ」は通常の甘酢漬けのほか、新生姜の塩漬けも出してくれます。口直しのみならず、お酒のアテにもなるほどの味!
1.スタートは「ひらめ」
シャリの味もよく分かる挨拶代わりの一貫です。
一貫目を食べると「シャリの大きさは今くらいでよろしいですか?」と確認してくれ、客目線の心使いを感じます。
食事でしっかり食べたいなら大きめに、飲んだ後なら小ぶりな握りでお願いすることもできます。
2.「ほっき貝」
軽く炙ることで香ばしさに加え、貝自体の甘みを引き出しています。
3.「たい」
炙ることで皮目の旨味を抽出、シャリの旨さも引き立つ一貫です。
4.「ほたて」
手で割くことで包丁の金属感が無く、繊維質の食感が楽しめます。
5.「まぐろ漬け」
まぐろと醤油の旨みが深い味わいとなって迫ります。
6.「すずき」
塩での脱水仕事が、夏の白身魚らしい爽やかさと弾力のある食感を演出。
7.「かんぱち」
こちらは「すずき」より少し脂を感じさせ、食べ応えも十分。
8.「つぶ貝」
丁寧な仕込みで食べやすく、シャリとも同化します。
ここまでで、まだコースの半分。
なお、お酒は「国稀 鬼ごろし」。
金属製のピッチャーからビールコップに並々、受け皿にも溢れるように注いでくれます。
北海道増毛町 “日本最北端の酒蔵” 国稀酒造で醸された、寿司の邪魔をしないキレの良いお酒です。
9.後半は「たこ」から。
塩加減が程よく、噛み締めるほどに味わいが深まります。
10.「中とろ」
シャリとの間に大根たまり漬けを挟んでおり、これはお馴染み「トロたく」の金寿司流解釈か?
11.「あじ」
脂の乗った食感が、シャリの粘りと見事にマッチしています。
12.「かつお」
時期や種類でいろいろな燻し方を採っており、今回は柿のチップによるもの。
13.「さば」
締めの酸味に白板昆布が旨味を加えています。
14.「いくら」
新物ならではの柔らかな食感に、いくら本来の旨味を楽しめました。
15.「穴子」
穴子自体の香りと味わいが楽しめます。
16.ラストはこの店のスペシャリテ!「甘えび」。
甘えびの握りと添えられるえびみその塩辛ソースを “具のない” 軍艦で拭っていただくという斬新なアイデア!
以上、「おまかせ寿司」の16貫でした。
追加でもう一貫、「するめいか」を注文。
三升漬け(さんじょうづけ:醤油・青唐辛子・麹を漬け込む北海道の郷土料理)を乗せ、包丁をした旬のするめいかを味わいます。これもまた北海道でしか食べられない味でしょう。
この店のシャリは北海道の「おぼろづき」と山形産「つや姫」をブレンド。
おぼろづきの粘りの良さと甘みに、旨み成分が多く粒立ちの良いつや姫とが相まって、どのタネとも一体化するシャリに仕上がっています。
ここ「金寿司」の魅力は北海道ならではの食材を使いつつ江戸前の仕事、さらに独自の工夫を融合させていることにあります。
そして、その内容からは考えられないリーズナブルな価格設定も大きな魅力と言えるでしょう。
その他の写真
店データ
- 店名
- 金寿司
- 住所
- 札幌市中央区北2条東7丁目
- 電話番号
- 011-221-2808
- 営業時間
- 11:30〜19:30
- 定休日
- 日曜日(祝日の場合は営業、翌月休)
- アクセス
- 地下鉄東西線バスセンター前駅10番出口 徒歩5分
- 予算
- 8〜10,000円