鮨・肴匠 くりや

大将の研究と女将の接客が結実

鮨・肴匠 くりや

札幌中心部から少し離れますが、白石区の「本郷通り商店街」8丁目にわざわざ足を運ぶ価値のある寿司店「鮨・肴匠 くりや」があります。

「左下」の扉が入口です

「左下」の扉が入口です

地下鉄大通駅からは東西線で(新さっぽろ方面)5つ目の南郷7丁目駅下車徒歩約5分の場所にある看板の無いビルの2階。(開店時間の18時までは「準備中」の案内があり入店できませんのでご注意を)

店内はカウンターの7席で、完全予約制のメニューは「おまかせ」のみ。
ここではある日のコース内容をご紹介しましょう。

まずは生ビールで喉を潤します。

料理の一品目は「茶碗蒸し」

北海道ならではの美瑛町産ゆり根を使った味わい深いもの。

食感抜群の「ゆり根」

食感抜群の「ゆり根」

続いては刺身で「ひらめ」

塩とわさびで

塩とわさびで

よく見ると「えんがわ」も添えられていました。

これは“辛口”の日本酒を合わせたい。ということで、栃木県大田原市の銘酒「大那 超辛口純米」を注文。

以下順番に。

「毛がに・うに」の黒酢がけ

「毛がに」の上に「ばふんうに」を乗せ、「黒酢」のソースを

「毛がに」の上に「ばふんうに」を乗せ、「黒酢」のソースを

見た目は「?」ですが、「混ぜ合わせて食べてください」と大将。
その通り口に含むと、確かに “3味が一体” となって旨味が広がりました。

混ぜ合わせてみました

混ぜ合わせてみました

まさに大将の研究成果が表れた一品です。
さらに「うには別に食べたいってお客さんも多いですが、ご安心ください。後でお出ししますよ」

「まぐろの手巻き」

パリッとした海苔が香りも良く、まぐろもベストマッチ。

この後は「握り」が続きます。
握りの一貫目は「甘えび昆布締め」。

昆布で締めてねっとりした口当たりと甘みが増しています。

日本酒を宮城の「日高見 超辛口純米酒」に。

これも辛口のすっきりした味わい。

続く握りは「さわら」。

熟成感があり、身が締まって旨味も凝縮シャリの酸味ともよく合っています。

「まぐろ赤身」

赤身らしい香りの良さと酸味のバランスが抜群。

ここで「酒肴の小皿」が出されます。

はしりの「アスパラ」は有名な美唄の「うちやま農園」から。
道産「水たこ」は柔らか煮。
さらに「時知らず」は西京焼きで。
そして山わさびで漬けた「たらこ」。どれもお酒にバッチリです!

「冩樂 純米吟醸」

合わせるは福島の銘酒「冩樂」。ますますお酒が進みます!

「しまあじ」

愛媛産しまあじ熟成して旨味を引き出しています。

「ほっき貝」

北海道を代表するのひとつ。軽く炙って味わいを深めています。

「にしん」

包丁で小骨の処理を施し程よい酢締めでシャリとの一体感を追求。

「こはだ」

これぞ江戸前の寿司タネ。これもシャリによく合う酢締めの具合です。

「玉子」

(コースの)折り返しの玉子は “だし巻き” タイプ。

「あん肝」

今では定番となった「奈良漬」との組み合わせ。

「作 純米吟醸 和悦」

酒肴には純米吟醸で合わせてみました。続く「あわびソース」ともその相性は文句なしでした。

「あわび」

丁寧に蒸したあわび肝ソースで。

後半には “シャリ玉” を投入。

「数の子チーズ」

今やこれもお馴染みの「カズチー」。食感も楽しい。

「鮨屋のブイヤベース」

これぞスペシャリテ!
エビの頭と魚の骨
で取った出汁感たっぷりのスープ。

具材にはほっきの柱あさりなどが入っていました。

「中とろ」

江戸前仕事の柵漬け食感を高め、旨味を引き出しています。

「ばふんうに」

うにそのものの口当たりと味を楽しめるよう “手渡し” で。

お茶

「とろたく」

コリっとした食感が楽しい。

味噌汁

毛がに出汁あおさ入り。

「かんぴょう巻き」

締め前にはやっぱりこれ!江戸前を代表する巻物。

お茶を差し替えてくれました。

目配りの利いた嬉しい接客ぶりです。

「玉子」

そして最後はやっぱり「玉子」
前半(だし巻き系)とは異なるカステラ系の作りはデザート的に味わえます。

以上、品数も味も十分満足といえる充実ぶりで、日本酒のセレクトも完璧!
店主と女将は食べ歩きをしながら店のメニューに活かせる料理を研究しているようで、その努力が見事に結実した内容になっていました。

さらに食事中の女将の気さくな対応もリラックスして過ごせる要因でしょう。
最初から最後までお客様も含めた店内雰囲気の一体化は、なかなか他に無いほどの楽しさを感じさせてくれました。
これが冒頭に「わざわざ足を運ぶ価値がある」と記した理由です!

その他の写真

店データ

店名
鮨・肴匠 くりや Webサイト
住所
札幌市白石区本郷通8丁目北1-22 石田ビル 2F
電話番号
011-866-5055
営業時間
18:00〜(19:00〜のハーフコースもあり)日曜は17:00〜
定休日
月曜日(祝日営業・翌日休)
アクセス
地下鉄東西線南郷7丁目駅 徒歩5分
予算
20,000円〜

おすすめメニュー

  • おまかせ:18,000円(税込、サ別)
  • ハーフコース(19:00〜のみ)16,000円(同上)

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