文次郎
“おでん”という名の一品料理
札幌の寒い夜には「おでん」が似合います。
今回は、札幌のおでん専門店の中でも一際異彩を放つ「文次郎(ぶんじろう)」をご紹介しましょう。

「J字型」のカウンター
場所は狸小路8丁目、通称「タヌハチ」の一角にある名店揃いのグルメビルとして知られる大洋ビルの2階。
入口が通路から奥まっているのでちょっと迷うかもしれませんが、扉を開ければ「J字型」のカウンターが奥に延びる落ち着いた雰囲気の店内です。
ご主人の安田さんは大阪の超有名料亭で修行をし、東京(銀座)でも人気店となった「四季のおでん」の札幌店を任され、その味は札幌の食通たちの注目を集めました。
その後(2012年)四季のおでんが札幌から撤退したため、独立してこの「文次郎」を開店しています。

厨房内には小さめの丸い鍋が見えます
基本の料理スタイルは「四季のおでん」を踏襲した上で、この店ならではのオリジナリティも覗かせるものになっています。
おでんの店では四角い大きめの鍋におでん種がふつふつと煮込まれている姿をよく目にしますが、この店にあるのは少し小さめの丸い鍋(天ぷら鍋?)。そこには澄んだつゆが温められて、中には少量のおでん種が入っているだけの様子に最初は少し驚くかもしれません。

定番の「大根」もこのように
しかしほとんどのおでん種は注文がある度に下準備された素材が鍋で温められ、それぞれに最適な味付けやトッピングなどの仕上げが施されます。
完成形から逆算して仕込みがなされているので、各おでん種はひと皿ごとに提供というスタイルです。
こだわりの器に美しく盛られたおでんを眺めつつ口に運んでみれば、まさに一品料理。
そんなこの店のコンセプトが感じられることでしょう。
定番の「大根」は透明感のある大根に九条ネギとカツオ節。
よく見かける黒っぽくつゆが染み込んだ大根のおでんも悪くありませんが、この店では澄んだつゆが深い旨味とともに上品さをも演出しています。

人気の「雪菜」
その他のおでん種は通年もの、季節ものといろいろありますが、中でも白菜にとろろ・ゴマをかけた「雪菜」は四季のおでん札幌店以来人気のオリジナルメニュー。
そして「こんにゃく」や「はまぐり」。そしてあれば注文したいのが「さえずり」、鯨の舌です。これぞ関西おでんの定番といえる一品で、札幌ではなかなか食べられません。
和食の腕に覚えのあるご主人は「お刺身」や「鯖の棒寿司」をはじめ、おでん以外の一品料理も用意しているので、気軽にその日のおすすめを聞いてみるとよいでしょう。

お酒も厳選(この日は福岡八女の「繁桝」など)
季節の素材を使うゆえメニューは種札のみで値段表記はありませんが、おでんは300円程度から(旬ものは1,000円程度まで)。手抜きのない3品の「お通し」を含め、軽く飲んで食べて5〜6,000円前後という予算です。
その他の写真
店データ
- 店名
- 文次郎
- 住所
- 札幌市中央区南3条西8丁目 大洋ビル 2F
- 電話番号
- 011-281-6557
- 営業時間
- 18:00~24:00(L.O.23:00)
- 定休日
- 月曜日
- アクセス
- 地下鉄南北線すすきの駅 徒歩8分
- 予算
- 5〜6,000円