うなぎ 二葉
札幌を代表する老舗の鰻料理店
かつて「江戸前」とは “鰻料理” を指していました。江戸時代のことです。
当時は江戸の河川でも天然のウナギが多く獲れたようですが、近年では静岡や現在では宮崎・鹿児島などの養殖ものがほとんどとなり「関西風」や名古屋の「ひつまぶし」、九州にも有名店があるなど全国的な料理となっています。
しかし北海道には、鰻の食文化はあまり浸透していません。総務省の家計調査(2018年)によると、北海道のうなぎ蒲焼消費量は全国で44位とのこと(参考サイト)です。
そんな北海道ですが、今回は札幌で鰻料理といえばその名があがる「うなぎ 二葉(ふたば)」をご紹介しましょう。
創業は昭和23年(1948年)、70年以上の歴史を誇る名店です。
場所はすすきの中心部からは少し西に向かった7丁目、中通りにポツンとありますが、入口には大きく「蒲焼」の暖簾がかかる風格ある店構え。
店内は1階と2階、テーブル席、小上がり、座敷があってグループや家族連れにも使いやすい造りになっています。
鰻料理の代表的な料理である「蒲焼」の調理法は、東京をはじめとする関東では「 背開き」 したウナギ(※)に 蒸し の工程を入れるため、“ふんわり” とした仕上がりになります。
一方、関西風は「腹開き」の(蒸さない)直焼きなので、“パリッと香ばしい” 蒲焼になります。
(※)当記事では生物・食材としての表記は「ウナギ」、料理としては「鰻」「うなぎ」を使用しています。以下の料理名についてはメニューの表記に準じます。
両者は好みも分かれ、札幌にも関東風・関西風の店がそれぞれあります。
今回ご紹介する「うなぎ 二葉」の調理は関東風、蒸しがしっかり入った“ふんわり”の「江戸前うなぎ」が食べられます。
関東でも本格的な鰻料理店では、注文を受けてから裂き・蒸し・焼きの工程を行うため、提供まで40分程度を要するのが一般的です。そのため、待ち時間にちょっとした一品料理でお酒を味わうというのも鰻料理の楽しみとされています。
“うなぎ待ち”のお酒のお供として定番とされるのが「お新香」。
元々うな重やうな丼にはお新香が付いて来るので、どの店でもこれだけはあるという一品です。
お酒用の料理が特に用意されない時代でも、これを少しずつ摘みながらお酒を飲むお客さんがいるため、店側もお新香には独自の工夫を施すようになっていきました。
「鰻屋のお新香はうまい!」とされるゆえんといえるでしょう。
次には串物、特に「肝焼き」は鰻屋ならではのサイドメニューです。
さらに「短冊」は、ウナギの身を短冊状に切って串に刺して焼いたもの。焼き鳥のように気軽に食べられて値段も安いので、お酒のおつまみとして人気があります(そのためか高級店ではあまり見かけません)。
そして一品ものの代表がうなぎの酢の物「うざく」やうなぎ入り玉子焼きの「う巻き」など。
その他、ビールによく合う「骨せんべい(二葉では「骨のから揚げ」)なども人気です
ここ「うなぎ 二葉」でもそのような一品料理が用意されているので、気軽に「うなぎ呑み」を楽しめます。
まずは「短冊」。この店では切り身の幅が普通より広めで串も2本刺して焼いてあります。こうなると焼き鳥的というよりは「ミニ蒲焼」の雰囲気です。
さらにタレだけではなく塩味があるのがポイントで、これを白焼き的に味わうことができます。
うなぎ店で悩むのが、白焼きも蒲焼も両方食べたいが、値段が高くつくのはもちろんながら、量が多いということ。シェアできる仲間と訪れたならよいが、一人では厳しい。
そんなときにはこの店の「短冊(塩)」がおすすめです。
「うざく」は焼き立てのうなぎと、冷たいきゅうりの酢の物との温度差が旨さを引き立てます。
蒲焼類は比較的短時間(40分はかからない)で提供されるので、テーブルの一品料理が少なくなってきたらうな重などの食事ものを注文しましょう。
お新香は、うな重を注文すると先にテーブルに運んでくれます。控え目ながら塩が効いて、お酒にもよく合います。
食事ものとして気軽に味わえる「うな丼」、うな重も「梅」から各種用意されています。
うなぎ呑みの仕上げなら、うな重の「竹」(上写真)がおすすめ。
うなぎのサイズとご飯量(やや控えめ)のバランスがちょうど良いからですが、注文時にお願いすれば、無料で大盛りにしてくれます。
お酒は「生ビール・瓶ビール(3種類)」のほか、日本酒が「奥の松(福島県)本醸造生貯蔵酒・初孫(山形県)辛口純米酒」それぞれ300ml瓶で提供されます。
これらのお酒でうなぎ呑みを楽しんでみてはいかがでしょうか。
「おみやげ」としてテイクアウトにも対応しており、「蒲焼御飯・白焼御飯」とも持ち帰れるので、詳しくはこちらでご確認ください。
往復30分以内の場所へなら「出前」もOKです。
その他の写真
店データ
- 店名
- うなぎ 二葉 Webサイト
- 住所
- 札幌市中央区南5条西7丁目3-2
- 電話番号
- 011-511-1410
- 営業時間
- 11:00〜20:30(L.O.20:00)
- 定休日
- 火曜日
- アクセス
- 地下鉄南北線すすきの駅 徒歩7分
- 予算
- 4〜5,000円