※ 当記事の内容は最終訪問（2021年7月）当時のものです。
現在は基本「ネット予約、コース料理」（当日のみ電話受付可能ですが、作業中は出られない場合あり）その他詳細、営業時間の変更等はこちらでご確認ください。

今回はちょっとユニークなお店をご紹介しましょう。その名は「みち草バザール」。
スパイス料理とワインを看板にしています。

札幌でスパイス料理とは、あまり耳慣れないかもしれませんが、簡単なイメージならカレー屋さん。
しかし、この店の料理はもっともっと奥深いものなのです。

かつては北15条北大エリアにある知る人ぞ知る店でしたが、2019年末に現在の南円山に移転しました。

地下鉄東西線の円山公園駅から10〜15分くらい歩いた、閑静な住宅街にあります。
私道を入った奥の袋小路、どう見ても住宅しかないその中の一軒がお店です。

入口の小さな看板にお店のキャラクターデザインが描かれているだけなので、初めての場合なかなかの到達困難度かもしれません。

入店してみれば、シンプルでお洒落な雰囲気に気分も落ち着きます。
カウンター席もあり、一人で訪問してもゆっくり楽しめる店造りです。

着席したテーブルには小さな引き出しが付いていて、中には箸やスプーン、ナイフにお手拭きなどが。こんなところにもお洒落なセンスが垣間見えます。

まずは、何といってもこの店のスパイス料理「本日の冷菜 盛り合わせ」（1,000円前後、内容で変わります）で乾杯しましょう。

日替わりでアチャール（インドの漬物・ピクルス）を中心に7〜8種類の冷菜が盛り合わされ、それぞれの食材に合わせた（スパイスなどでの）仕事を施しています。どの一品でも、食べた瞬間に料理人の確かな腕を感じさせるものです。
（写真は小松菜・赤キャベツのアチャール、自家製なめ茸、茄子とキノコのピクルスに、鶏肉、牛タン、フクラギ）

まずはビール！なら、相性を考えて厳選された「琥珀の時間（とき）」（600円）を一杯。
そしてお酒を促進してくれる冷菜たちは、自然にワインへと誘導します。

ワイン（グラス800円〜、ボトルもあり）は自然派ワインを中心に、国産・フランス・インドなど様々なものがそろっているので、ご主人におすすめを聞いてみるのもよいでしょう。

冷菜を味わったら「モモ」はいかがでしょう。
「モモ」とはネパール地方の「餃子」で、この店では水餃子をイメージするような “つるん・モッチリ” 感のある仕上がりです。ヨーグルトマサラソースとの組み合わせを楽しむため、スプーンですくっていただきます。

スパイス料理とともにタンドール料理も店の看板。「タンドリーチキン」（800円）はその代表的メニューで、外側の皮はカリッと中はフワッと、まさにそんな仕上がりです。

「チーズクルチャ」も人気メニュー。ご主人が「これを作りたくてお店を始めました！」というほどの一品です。

「クルチャ」とはタンドールで焼いたパンの一種で、カリッと焼かれたパン生地の中にはトロッと熱々のチーズ。ワインにもカレーにもよく合います。

「カレー」（1,150円）は日替わりで数種類が用意されていますが、「ポーク・チキン・ラム」に「キーマ」も登場します。
どの味を食べてもそのスパイスの香りと心地よい刺激、そして奥深い旨味を感じるカレーです。

ライスは本格的な「バスマティ」、もちろん「ナン」も選べます。クルチャとカレーを合わせてもよいでしょう。

「みち草バザール」とは “バザール＝市場＝人が集まる場所” に仕事などの帰りに “道草” してもらいたいという気持ちを込めたということです。

南円山の隠れ家で、ゆっくりとスパイス料理でお酒を味わう。そんな “道草” を楽しんではいかがでしょうか。