アルコ
狸小路の隠れ家ジンギスカンで味わう生マトン
札幌のアーケード商店街「狸小路」の西に向かった7丁目。そろそろ中心部の華やかさに対して、昭和の雰囲気を感じさせる区域になってきます。
その中に、普通に歩いていたらまず気づくことのないジンギスカンの店があります。
その店が「アルコ」です。
狸小路から小さな入口〜細い通路を入った奥にあるため、外から店は見えません。看板も小さいので見逃してしまうでしょう。
入口の横で、大きく暖簾を掲げているのは「一徹」というラーメン屋。
この店はアルコの姉妹店で、経営者は同じです。実はそのことが、この店の大きな特徴にもなっています。
とりあえずはアルコの店内に入ってみましょう。
真ん中の調理場を囲んだコの字カウンターに七輪が7台セットされています。
着席すると目の前の七輪にジンギスカン鍋がセットされ、飲み物を注文すると一緒に皿に盛られた羊肉が出てきます。
羊肉は1歳未満のものをラム、それ以上がマトン(マトンの中には2歳未満のものをホゲットとする場合もありますが、定義は国によっても異なります)。
一般的に「ラムは羊独特の匂いやクセが少なく食べやすいが、味のコクに乏しい。マトンは匂いもクセも感じるが、その分旨みがある」といわれます。
そのため観光客はラム、北海道で古くからジンギスカンに親しんでいる人(特に地元民)はマトンをそれぞれ好んで食べる傾向にあるようです。
この店の羊肉は「生のマトン」。
半身の羊を仕入れ、店で捌いて熟成させています。
ご主人は隣のラーメン店も経営する元洋食のシェフ。そのご主人ならではの目利きと技でアルコの肉を仕込んでいます。
捌きたての生のマトンは、驚くほどクセがなく食べやすいことに驚きます。そしてマトンならではの旨みも感じさせてくれるものです。
この店のジンギスカンはいわゆる「つけダレ」方式で、焼いた肉をタレにつけるスタイル。(北海道には「事前にタレに漬け込む」タイプもあります)
醤油の味を活かした辛口のタレはマトンの旨味を引き立ててくれます。
肉のメニューは「ジンギスカン」のみ。お代わりをすると、なるべく別の部位が入った皿を提供してくれます。
サブメニューは「キムチ」や「ライス」などと少ないのですが、その中でもおすすめは「羊の筋の煮込み」。これぞ、この店を特徴づける名物メニューでもあります。
既に説明の通り、この店では元洋食シェフのご主人が肉を捌いています。その時に出るジンギスカンに使わない部位(スジ肉など)を別の料理に使うおうと考えて生まれたのが、まるでビーフシチューのように煮込まれたこの「羊の筋の煮込み」です。
そのソースは肉の旨みを活かすため、甘さを抑えた味に仕上げています。
もちろんグラスワインも注文できるので、この洋風料理を食べながら一緒に味わっていると、ここがジンギスカンの店であることを忘れてしまうほどです。
アルコを訪れたなら、ぜひ注文して欲しい一品としておすすめします。
なお、姉妹店の「一徹」とは店内でつながっており、ご主人はそちらで鍋を振っています。
一徹は夜になると一品料理のおいしい「ラーメン居酒屋」として連日満員ですが、その人気料理の中にはもちろん「羊の筋煮込み」が含まれています。
一徹の方が早く閉店(19時半頃L.O.)するのに注意すれば、店内移動をして「締めのラーメン」なんて楽しみも待っています。
店データ
- 店名
- ジンギスカン アルコ
- 住所
- 札幌市中央区南3条西7丁目3
- 電話番号
- 011-221-7923
- 営業時間
- 17:00〜20:30
- 定休日
- 月曜日
- アクセス
- 地下鉄大通駅 徒歩約10分
- 予算
- 2〜3,000円