(閉店)蟬吟
フレンチシェフによる本気の麺料理
※「蝉吟」は2022年12月をもって閉店しました。
札幌といえばラーメン、ラーメンといえば札幌とまでいわれるように、札幌には数多くのラーメン店があります。伝統の「味噌ラーメン」を売りにする店、(実は味噌以上の歴史を誇る)札幌の「醤油ラーメン」にこだわる店、お酒の後にサッパリした「塩ラーメン」や「つけ麺・まぜそば」の店など多士済々です。
その中でも一際特徴的で、そのクオリティも頭抜けた店が今回ご紹介する「蟬吟(せんぎん)」。
場所は南1条電車通りの西9丁目のビル地下一階です。同じビルには人気のビアホールや蕎麦店(しの崎)すぐ隣はこれまた人気の中華料理店(布袋)があるので、おなじみの地域かもしれません。
店内は大きなテーブルをカウンターのように使います。テーブル数卓ありますが全部で10人程度の収容力となります。シンプルながらお洒落な雰囲気が漂う内装は、ご主人の手作りとのこと。
この店のメニューは3種類の「麺」(各880円、以下全て税込)、5種類の「おつまみ」、そして「飲み物」がお酒(4種類)と自家製のジンジャーエールというシンプルなもの(当記事作成時点)。
時間帯によってはヘルパーが入りますが、基本はご主人のワンオペゆえ品数を絞るのは仕方のないところでしょう。
ご主人は札幌のフランス料理店の他、本場での修行経験もあり(店名は修行先である南フランスの幸福のシンボルが「蝉」であることに由来)、その分野でもかなり名を知られる方。
そんな本物のフレンチシェフが「麺料理」に注力するのだから、この店を「ラーメン店」に分類するのが躊躇われるほどです。
看板商品ともいえる「海老つけ麺」は、自らのフランス料理店でも提供していた得意メニューで、特製のストレート麺をオマール海老で作るつけ汁(ビスク・ソース)でいただきます。
オマール海老の旨味を引き出したソースは濃厚ながら、麺を絡めるとジャストバランスになります。
さらには添えられる鶏チャーシューとの相性、海老つけ麺を注文したお客さん限定の「フライドオニオン入りパン」(100円)にソースをつけて食べる味わいまで、まさに “計算し尽くされたフレンチの世界” です。
「海老和え麺」は海老風味のミートソースで麺(平麺)を和えたもの。イメージ的には「パスタ」に近いのですが、このメニュー専用の特製麺がオリジナリティを演出しています。
(夏季は時期限定で「昆布とオマール海老香る冷たい醤油」に切り替わります)
そして「玉葱とオリーブオイルで乳化させた味噌」は温かい汁ラーメンのスタイル。
札幌の代表的ラーメンである「味噌」をご主人のセンスでアレンジした一品で、味噌のコクと玉葱の甘みにオリーブオイルの風味、(海老つけ麺とは異なる)中太の縮れ麺の食感も見事に調和しています。
これらの麺料理はどれもが(食べてみれば)驚きのコスパであることに気付くことでしょう。
数品用意されるおつまみも白ワインやカヴァによく合うものばかり。
「4種のナッツ 4種の味付けで」(580円)は、アーモンド&砂糖、クルミ&パルメザン、カシューナッツ&ココナッツ、ピスタチオ&エルヴドプロヴァンスという食材と味付けの組み合わせを厳選したものです。
その他「ゆでピーナッツとクリームチーズのオイル漬け」(380円)や「チーズチップス」(480円)「白い野菜のピクルスと鮭トバ」(480円)、麺の前に少し食べたいなら「牛スネ、大豆、キャベツの煮込み」(580円)などもあります。
ここ「蟬吟」は “軽くお酒を楽しんで、麺料理で締める”、そんな新しい飲食店のスタイル(麺&居酒屋)を提案しているといえるでしょう。
テイクアウトとして「海老つけ麺のソース(約3人前 250ml、1,250円)・つけ麺用の麺(約3人前 420g、500円)」も用意されています。
なお「予約なしでも気軽に入れる店」がコンセプトなので、予約は受け付けていません。
その他の写真
店データ
- 店名
- (閉店)蟬吟 Webサイト
- 住所
- 札幌市中央区南1条西9丁目1-2 第2北海ビルB1F
- 電話番号
- 011-596-7448
- 営業時間
- 11:30〜14:30、17:30〜20:30
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 地下鉄東西線西11丁目駅 徒歩3分
- 予算
- 2〜3,000円