東家寿楽
北海道を代表する蕎麦屋「東家」の札幌筆頭店
北海道の蕎麦店といえば「東家(あずまや)」が有名です。
その総本家は釧路の「東家総本店 竹老園(ちくろうえん)」で、明治7年(1874年)小樽にて “夜啼きそば” の形態で創業、蕎麦切りによる商いとしては北海道内で最初であったとされています。
その後函館を経由して釧路に移り、今や30店舗以上を擁する道内最大の蕎麦店系列となりました。
札幌の円山地区に店を構える「東家寿楽(あずまやじゅらく)」は、総本店の竹老園から大正7年(1918年)に分家し、その後昭和24年(1949年)に札幌に移転した「東家本店」の流れ。昭和41年(1966年)にその分店として開店しています。
その店構えは東家系列の中でも一際風情のある造りで、店内から眺められる藤棚のある中庭を配したところなどは、さながら“ミニ竹老園”といえるような雰囲気です。
収容100席という規模は東家系列のみならず札幌でも最大級で、毎年大晦日にTV中継される「年越しそばの混雑風景」は年末の風物詩にもなっています。
総本家竹老園が「茶そば」や「蘭切りそば」をメインとし、普通の蕎麦である「もり」も薄い緑色がかかったものであるのに対し、東家寿楽の「御膳生粉打ちそば」は御膳粉(蕎麦の実の芯)を使った上品な細打ちが特徴。注文を受けてから製麺するというこだわりの一品です。
(もちろん茶そばや蘭切りそばもあります)
釧路本店の名物でもある「そば寿司」や「かしわ抜き」も人気のメニュー。
「そば寿司は海苔巻きの酢飯の部分をお酢で味付けした蕎麦にしたもので、「おしんこ・きゅうり・ごぼう」を巻いています。その他、ごぼうを鮪に替えた「三色巻き」や鮪だけの「鉄火巻き」などもあります。
「かしわ抜き」は、鶏肉(かしわ)を使った温かい「かしわそば」から蕎麦を抜いたもの。
“鶏のスープ” ともいえますが、鶏肉や長ねぎなどの具をお酒のおつまみにしたり、「もりそば」をつけて食べたりすることができます。
東京の老舗蕎麦店などで「ぬき」といえば、かつては「天ぬき」(天ぷらそばの蕎麦抜き)が定番。
温かいつゆに入った天ぷらをおつまみに蕎麦前を楽しむという、言わば常連客の裏メニューでしたが、北海道ではこの「かしわ抜き」が親しまれています。
ここ「東家寿楽」の魅力は “蕎麦前” の楽しみにもあります。
先に紹介した「かしわ抜き」や「そば寿司」に加え「天ぷらの盛り合わせ」「かき揚げ」、「玉子焼き」などでもお酒を楽しむこともできます。
さらに「そばがき」や「そば味噌」なども蕎麦屋ならではの酒肴です。
お酒はまず「そばビール」。蕎麦と麦芽・ホップを原料とし、そば茶を思わせる香りと味がそばにピッタリのビールです。
もうひとつは「そば焼酎」。特に「そば湯割り」が蕎麦屋ならではの味わいです。
この店ではガラスの容器に入ったそば焼酎とともに熱々の蕎麦湯が提供されるので、自分の好みの濃さに割って飲むことができます。
この店の蕎麦湯は “蕎麦の良さ” からその味に定評があり、これで割った「そば湯割り」は一度お試しの価値ありです。
東家寿楽の営業時間は20時(L.O.19:40)まで。比較的閉店が早いので、「蕎麦前で軽くお酒を楽しんで、仕上げにそばを手繰る」。そんな粋な楽しみ方がおすすめの店です。
その他の写真
店データ
- 店名
- 東家寿楽 Webサイト
- 住所
- 札幌市中央区北2条西27丁目1-1
- 電話番号
- 011-611-8659
- 営業時間
- 11:00〜20:00(L.O.19:40)火曜日は〜17:00(L.O.16:40)
- 定休日
- 水曜日(祝日の場合は営業で翌木曜日休)
- アクセス
- 地下鉄東西線西28丁目駅 徒歩5分
- 予算
- 2〜3,000円