朱月菴
すすきのゼロ番地で夜営業の蕎麦居酒屋
ここでご紹介する「朱月菴(あかつきあん)」は、すすきののディープスポットともいえる「すすきのゼロ番地」にあります。
すすきのゼロ番地とは、南6条西4丁目にある「すすきのアパート」という公営住宅の地下一階にある飲食店街のことです。
1階には「すすきの市場」があり、近くの飲食店向けに鮮魚や野菜を販売する店が入っています。
すすきのゼロ番地は、北海道初の地下飲食街で “すすきの発祥の地” ともいわれています。
その中の一軒である朱月菴はゼロ番地らしく、夜から深夜にかけて営業する蕎麦店。
開店は19時ですが、予約はできません。ゼロ番地へ下りて扉を開けて覗いてみるのが、この店のお決まりです。
その入口も看板が無いので一見どこなのかわかりませんが、よく見ると小さな小窓にコップに入れたショップカードが置いてあります。
店内はカウンター8席だけのオープンキッチン、という造りです。
最初に知っておく必要があるのは、この店はいわゆる「そば屋」ではないということ。
深夜まで営業しているからといっても、「締めのそばだけ」という使い方は遠慮して欲しいとのこと。
蕎麦前を楽しみ、その締めを蕎麦で、という「蕎麦居酒屋」です。
お酒はビールに日本酒が定番酒で3種類、「田从(たびと)・東北泉・酔右衛門」が用意されます。
その日によって「旦那の隠し酒」としてメニューにないお酒もあります。
お酒を頼むと「お通し」が出てきますが、これが一品料理として通用するものばかり。
手作りの小鉢にひじき煮やポテトサラダなど、何が出てくるのか毎回楽しみです。
さらに「板わさ」や「そば味噌」「のり」など、これまた定番のつまみがそろいます。
特に「のり」は焙炉(焼き海苔箱)に入った江戸前風。炙られた梅干しが添えられた、おつまみに最適の一品です。
そして名物ともいえる人気メニューが「スジコン」。
牛スジとこんにゃくの煮込みですが、しっかり旨みの出た味がお酒によく合います。
その他も種類は絞られていますが、どの料理を取ってもクオリティの高いものばかり。
締めにおすすめの蕎麦(「せいろ」)は、札幌市内でも間違いなくトップクラス。
香り高く、喉ごしの良いそばをキリッと辛めのつゆでいただきます。
口の中で旨みが広がり、スッと喉の奥に消えていくようです。
なお、メニューには値段の表記はありません。2〜3品のおつまみでお酒を飲んで、そばで締めて3〜4千円台くらいが一応の目安です。
出張で接待や宴会が終わって、ホテルに戻る前のひとときを過ごす。
そんな時に知っておきたい、常連になれれば嬉しい「大人の隠れ家」的な一軒といえるでしょう。
店データ
- 店名
- そばびより 朱月菴
- 住所
- 札幌市中央区南6条西4丁目 すすきのゼロ番地 B1F
- 電話番号
- 011-562-8081
- 営業時間
- 19:00〜翌1:30
- 定休日
- 日・祝・第一月曜日
- アクセス
- 地下鉄南北線すすきの駅 徒歩5分
- 予算
- 3〜4,000円