東家本店
ここが札幌東家の本家本元
札幌の蕎麦店といえば、まず「東家(あずまや)」の名があがりますが、元祖は釧路にある老舗の「竹老園(ちくろうえん)」。その竹老園から分家し大正8年(1919年)に創業、昭和24年(1949年)に札幌に移転した店が今回ご紹介する「東家本店(あずまやほんてん)」です。
すすきの中心部からは少し離れた西1丁目に店を構え、“本店” の名からすれば普通の蕎麦屋という外観に意外な印象を受けるかもしれません。
しかしこの店こそが100年を超える歴史を持ち、市内に何軒もある「札幌東家」系の本元なのです。
店に入ってみれば、本来の蕎麦屋らしい、気軽に食事やお酒が楽しめる店であることがわかるでしょう。
まず、昼11:30の開店から夜は21:30までの “通し営業” がこの店の特徴で、ランチタイムの混雑時を外した午後にゆっくり食事を楽しむ常連さんの姿がよく見られます。
「もりそば」はさらしな粉を使った白く上品なもの。
海苔がかかった「ざるそば」もありますが、こちらには専用の つゆを用意するところは老舗ならではのこだわりです。
その他「変わりそば」として「茶そば・らん切り(たまご)・ごま切り・磯切り(海苔)・わさび切り」などのバリエーションも楽しめます。
温かいそばの人気は「かき揚げそば」。
カリッとしたかき揚げをつゆに浸すと “ジュっ” と音がして、つゆを吸い込みます。そして、つゆにはかき揚げの油の旨味が溶け込むという組み合わせの妙がその魅力になっているのでしょう。
土日も含めた通し営業ならではの楽しみが「蕎麦前」。この店のおすすめの使い方です。
少しだけ喉を潤したいなら「一口ビール」がジャストサイズ。
お通しに「揚げそば」を付けてくれます。これをポリポリ、ビールによく合います。
上の「かき揚げそば」なら「燗酒」もおすすめ。
銘酒「黒松白鹿」の本醸造をしっかり1合。飲み応え十分です。
さらに面白いのが全国から集めた「五寸瓶」の日本酒。呑み切りサイズ(五寸=約15cm、180ml=1合)なので、各地のお酒を飲み比べることができます。
北海道はもちろん、秋田の「飛良泉」や高知の「司牡丹」など10種類以上のラインアップです。
蕎麦屋定番のおつまみならまずは「板わさ」。
そして「玉子焼き」も外せませんね。
定番ものに加え、この店ならではの「そば寿司」や「かしわぬき」なども用意されています。
「そば寿司」は海苔巻きの酢飯の代わりに酢味をつけたそばを使ったもので、「かしわぬき」はかしわそばからそばを抜いた汁物。ともに東家竹老園ゆかりの名物です。
この名物を味わうなら「寿司セット」がおすすめ。
そばの細巻きにイクラとカニの手巻きそば寿司、そしてかしわぬきがセットになっています。
食事としても酒肴としても楽しめる人気のメニューです。
もうひとつ「ざるそばセット」はかしわぬきと人気No.1の「ざるそば」の組み合わせ。
かしわぬきで一杯、自慢のそばを冷たいつゆとぬきの温かいつゆの両方で味わうのもよいでしょう。
少し変わったところでは「さつまあげ」などもあります。
ビールにも日本酒にも合う居酒屋顔負けの一品ですよ!
休日の昼下がり。ゆっくりとそばを味わい、伝統のおつまみで杯を重ねる。
まさに「東家本店」ならではの楽しみ方がここにあります。
その他の写真
店データ
- 店名
- 東家本店
- 住所
- 札幌市中央区南4条西1丁目
- 電話番号
- 011-231-4572
- 営業時間
- 11:30〜21:30
- 定休日
- 水曜日
- アクセス
- 地下鉄南北線すすきの駅 徒歩3分
- 予算
- 2〜3,000円