札幌には多くの蕎麦店がありますが、今回ご紹介する「手打ちそば やま賀」は、最寄り駅から離れた場所にありながら連日行列を成すほどの大人気。札幌の蕎麦を語るには外すことのできない代表的な一軒です。

蕎麦の特徴は白く上品な「更科（さらしな）」そば。ソバの実の芯の部分だけを使った更科粉を8割、つなぎ（小麦粉）を2割で打っています。

そのコシの良さと喉越しのバランスは、他の店ではなかなか真似ができないほどの完成度といえるでしょう。

更科そばを味わうなら「せいろ」ですが、この店にはほとんどのお客さんが注文する名物があります。それは「桜えびのかき揚げ」です。

静岡県産の生桜えびをかき揚げにした、その香ばしさとサクサクの食感はこれもまた他店で食べることのできないほどのもの。この店の実力を感じさせます。

「せいろ」にかき揚げ、茄子と獅子唐を添えた「桜えびせいろ」が一番人気のメニューですが、「小柱と小海老のかき揚げ」も負けず劣らずの人気で、ともにこの店の天ぷらの技術が結集した傑作といえます。

「小柱と小海老のかき揚げせいろ」はかき揚げが温かいつゆに入って提供されます（上記写真は別盛りにしたもの）。

その他、数量限定ながら「石臼挽き10割そば」もあり、この店の手打ちのレベルを実感させられる見事なそばに仕上がっています。

ご飯ものなら「穴子ご飯」がおすすめ。
道内産のお米を使い、程よいサイズ感（少し大きめの茶碗）で穴子の旨味がしっかり感じられるご飯です。
※ご飯ものは季節によって内容が変わります。

店の少し先には手稲山、すぐ近くの宮丘公園ではクマ出没のニュースが報じられることもしばしば。
“鄙にも稀な” とまでは言い過ぎですが、それでも「手打ちそば やま賀」は（タクシーを使ってでも）わざわざ食べに行く価値のある蕎麦店といえるでしょう。