ゆりや食堂
70年以上の歴史を誇るレトロな大衆食堂
札幌で知る人ぞ知る老舗の食堂といえば、まず「ゆりや食堂」の名が上がります。
昭和21年(1946年)創業、いかにも昭和の食堂という外観・店内、そしてメニューの数々。すべてに “歴史” を感じる、何とも渋い店です。
場所は札幌中心部から少し離れた西19丁目。
ここはかつては市場があったり、その名残で飲食店や鮮魚店が軒を並べた地域でした。
その古い建物のまま、長らく営業を続けたゆりや食堂でしたが、老朽化やむなく2019年新店舗に移転しています。
とはいえすぐ近所、同じ中通り並びの建物に、かつての雰囲気をなるべく残した店造りで営業を再開しています。
そのイメージは、まさに昭和中期に東京などで一般的だった “生蕎麦” の暖簾を掲げる店構え。
一見そば屋かと思えば、店内にはラーメンや丼もの、洋食系や中華メニューなどもあるというかつての典型的な大衆食堂です(※)。
この店のメニューも「冷たいそば・温かいそば」に始まり、「ラーメン・ごはんもの(オムライスやチャーハン・カレーライスなど)・サイドメニュー」と並びます。
人気は「ラーメン」。
創業時(昭和21年)からあったかは不明ながら、札幌ラーメンの元祖といわれる「だるま軒」が昭和22年(1947年)、札幌味噌ラーメンの元祖とされる「味の三平」が昭和25年(1950年)の創業なので、ゆりや食堂も札幌のラーメンでは最古参の一軒といえるでしょう(※2)。
その「ラーメン」、鶏ガラベースにそばのダシも感じる薄色の醤油味スープに、具はナルト・メンマ・チャーシュー・のりにネギという「支那そば」風のものです。
ラーメンとともに人気なのは「カレーライス」と「オムライス」。
これらも昭和の食堂で食べられていたオーソドックススタイルで、見た目も味もレトロを感じさせてくれます。
嬉しいことにこれらは全て「小」メニューがあるので、ラーメンとセットにして注文するのが常連の定番になっています(サイドメニューなので単品注文はできません)。
この店の雰囲気は江戸下町にもつながるものもあり、料理においても「ラーメンとカレーライスの組み合わせ」などは、東京神田の名店「栄屋ミルクホール」(昭和20年創業の老舗食堂、令和3年に閉店)を彷彿とさせます。
昭和ノスタルジックを感じさせるここ「ゆりや食堂」は、札幌に来たなら一度は訪れたい老舗の名物店といえるでしょう。
(※)ゆりや食堂のカテゴリーは店構えやメニュー(の数)的には「蕎麦・うどん」かもしれませんが、ラーメンが人気で、この記事でもラーメンをおすすめしているので、「ラーメン」のカテゴリーにて分類しています。
(※2)その後の情報で、昭和30年台後半にお客さんの要望でラーメンを始めたことが判明。
店データ
- 店名
- ゆりや食堂
- 住所
- 札幌市中央区南1条西19丁目 ドレイジャータワービル 1F
- 電話番号
- 011-621-4911
- 営業時間
- 11:00〜18:00(土曜日は〜16:00)
- 定休日
- 日・祝日
- アクセス
- 地下鉄東西線西18丁目駅 徒歩3分
- 予算
- 〜1,000円