札幌の “新世代” ラーメン!厳選のおすすめ6店をご紹介!

札幌の “新世代” ラーメン!厳選のおすすめ6店をご紹介!

サツメシではこれまでに札幌ラーメンの「元祖系」まで遡った歴史や、その後の発展に大きく寄与した「第二世代」について特集しました。
今回はその後新たに登場し、現代の新たな札幌ラーメンを築きつつある「新世代」(※)のラーメン店をご紹介します。

どの店も独自のラーメンを作り上げ、人気を集めています。「札幌といえば “味噌” でしょう!」という一般論からはちょっと意外なラーメンが多いかもしれませんが、ぜひ札幌ラーメンの “今” を体験してみてください!

(※ 元祖、第二世代、新世代などは諸説あり、明確な定義はありません)

札幌の“新世代”ラーメン:「らーめん侘助」

その誕生(昭和20年代中〜後半)から発展(昭和後期までの元祖系)、さらに2000年(平成初期)前後の新たなムーブメント(第二世代)を経て、札幌ラーメンはますますの広がりを見せています。

そんな新たな時代(新世代)のラーメンを代表する店が「らーめん侘助(わびすけ)」。地下鉄東豊線元町駅から徒歩約5分、住宅街にポツンという場所ながら待ち行列ができるほどの人気店です。

「らーめん侘助」は札幌でわずか9軒という「ミシュランガイド2017年特別版」の “ビブグルマン” 獲得店であり、2012年版との連続獲得を成し遂げた(たった2軒!)まさに新しい札幌のラーメンを牽引する店なのです。

代表メニューは「醤油らーめん」

代表メニューは「醤油らーめん」

この店のこだわりは入口の看板に記された「鶏白湯 煮干し醤油」
代表メニューは「醤油らーめん」(税込800円)で、券売機には “おすすめ” の表記もあります。

着丼したそのラーメンはチャーシューにメンマ、ナルトに海苔とネギ。ストレートの中太麺が茶褐色のスープの中に見えています。

旨味たっぷりの「スープ」

旨味たっぷりの「スープ」

まずスープをひと口含めば、煮干しの香りに野菜の甘味と鶏出汁の旨味を感じます。わずかな酸味にやや粘度のある口当たりも印象的です。

麺は自家製麺で小麦が香るストレート系。歯切れがよく、粘りのあるスープとの相性は抜群といえるでしょう。製麺会社から麺を仕入れることが一般的だった札幌のラーメン界で、自家製麺をアピールした「侘助」のこだわりです。

こだわりの「自家製麺」

こだわりの「自家製麺」

チャーシューはしっかりした味付けで、少し厚みがありながら箸でホロっと崩せる柔らかさです。メンマもコリっとした食感で作りの丁寧さがわかります。

トッピングの「味玉」(100円)は旨みたっぷりで、その黄身をスープに混ぜればまろやかに。さらにカウンターには「自家製にんにく胡椒」があるので、これを少し追加しての “味変” も楽しみましょう!

最後まで味わい豊かに楽しめるここ「侘助」のラーメン、一杯の丼の中に “新しい札幌のラーメン” を感じるはずです。

店名:らーめん侘助
住所:札幌市東区北21条東16丁目2-29
電話番号:011-807-7149
営業時間:11:00〜15:00
定休日:水・木曜日
アクセス:地下鉄東豊線元町駅 徒歩5分

<詳細記事はこちら>

札幌の“新世代”ラーメン:「らーめん竹馬」

札幌市西区の山の手地区、中心部からは少し離れた場所ながら、そのこだわりのラーメン作りが注目を集める「らーめん竹馬(ちくま)」

驚くのはこの店のご主人、ラーメンは独学ということ。しかし「趣味はラーメン」というほどの研究熱心さで今日のラーメンを作り上げました。
試行錯誤を繰り返して完成したラーメンはシンプルな食材でそのおいしさを追求したもの。味を加えていくのではなく、余分なものをそぎ落としていく“引き算”の味作りに徹したものです。

一番人気の「鶏そば白醤油+味玉」

一番人気の「鶏そば白醤油+味玉」

一番人気は「鶏そば白醤油+味玉」(税込890円)。一見、塩に見えるスープを口に含んでみれば爽やかな醤油味で、鶏の旨みをストレートに感じさせてくれます。

麺は道産小麦100%で、しなやかで柔らかな口当たり。自慢のスープが絡んで絶妙な味わいです。

しなやかな「特製麺」

しなやかな「特製麺」

木桶仕込みの醤油を使った「鶏そば醤油」(+味玉で890円)も人気で、ミシュラン北海道2017年版でも紹介されています。

「味玉」は自慢のトッピング

「味玉」は自慢のトッピング

人気のラーメンそれぞれには「味玉」がセットになっている(無しも選べます)ように、店でも自慢のトッピングです。黄身には程よく味が染みており、スープに溶けばコクと甘みを加えてくれます。

鶏と豚2種類のチャーシューに食感の良いメンマなども含め完成度の高いラーメンで、まさに “新世代” のスタイルといえるものでしょう。

店名:らーめん竹馬
住所:札幌市西区山の手3条4丁目2-13
電話番号:011-643-8778
営業時間:11:00〜15:00、17:00〜20:30(土日11:00〜17:00)
定休日:月・火曜日
アクセス:地下鉄東西線琴似駅 徒歩12分

札幌の“新世代”ラーメン:「支那そば 鋳(ちう)」

“新世代” をまさに象徴する店、それが「支那そば 鋳(ちう)」
円山の環状通沿いに2021年12月にオープン、開店直後は行列が店の目印になるほどでした。

この店は札幌の郊外にある人気ラーメン店「RAMEN RS改」の姉妹店で、営業は11:00〜15:00というランチタイムのみ。夜はすすきのにある「鮨わたなべ」の姉妹店「鮨 八つ葉」に変わります。

店内は高級寿司店として使う高級感あふれる10席のカウンターで、その入口には少々似つかわない券売機で食券を購入します。

「地鶏光麺醤油」+味玉

「地鶏光麺醤油」+味玉

メニューは「醤油」と「塩」味の2本立て。
「地鶏光麺醤油」(税込900円)と「地鶏光麺艶塩」(950円)に、それぞれトッピングを別添えにした「特選」(醤油1,500円、塩1,550円)という構成です。

食材と製法にこだわり、厳選した素材を使用(詳細は下記リンクサツメシ記事参照)。「地鶏光麺醤油」は醤油のコクに地鶏のダシが効いたスープに、低温調理のチャーシューを豚と鶏のダブルで添えています。

少し太めのメンマはしっかり味が染みており、ネギは2種類を使い分け。そして、海苔は別皿に添えられます。

「麺」は細めのストレート

「麺」は細めのストレート

自家製の麺は細めのストレート。口当たりが良く小麦の香りが感じられて、スープとの相性も抜群です。

「特選」の別皿トッピング

「特選」の別皿トッピング

トッピングには「味玉」150円、「生たまご」100円、「チャーシュー」300円、「メンマ」150円、「ライス」150円、「油増し」150円があり、「特選」には味玉・チャーシュー・メンマが追加されます(味玉以外は別皿で提供)。

「支那そば鋳」のラーメンはこだわりを極めた完成度の高い一杯。これもまた札幌ラーメンの新しい一面であることを静かに物語っています。

店名:支那そば 鋳
住所:札幌市中央区北1条西27丁目2-13
電話番号:未公表
営業時間:11:00〜14:30 L.O.
定休日:第1・3・5木曜日、金曜日
アクセス:地下鉄東西線円山公園駅 徒歩5分

<詳細記事はこちら>

札幌の“新世代”ラーメン:「斗香庵 HIGASHI」

「斗香庵 HIGASHI(とこうあんひがし)」新たなラーメンの楽しみを提供してくれる店です。

場所は東区、地下鉄東豊線北13条東駅から徒歩5分。
ラーメンは「中華そば」(税込590円)と時間限定(9:50〜11:30)の「鶏中華そば」の2種類のみ「中華そば」無化調にこだわり材料も厳選、すっきりながらコクもあるという仕上がりです。

コスパ抜群の「中華そば」

コスパ抜群の「中華そば」

チャーシューもしっかり厚みがありながら柔らかく、メンマもしっかり味付けされています。
どうみてもこの値段からは考えられないクオリティです。

全粒粉の「特製麺」

全粒粉の「特製麺」

そしてこの店での楽しみがサイドメニューの「どんぶり」
一番人気の「タレカツ丼」をはじめ「味噌カツ丼」「カツ丼」「カツカレー丼」「鶏から揚げ丼」「鶏から揚げカレー丼」「斗香庵のチャーシュー丼」、そして数量限定(10食)の「天丼」「サーモン丼」。“ミニ丼” サイズながら390円均一というサービス価格です!

おすすめの「タレカツ丼」

おすすめの「タレカツ丼」

初めてで迷ってしまったなら、「タレカツ丼」をおすすめします。
「タレカツ丼」とはカツを “つゆ” にくぐらせて丼ごはんに乗せたもの。新潟のご当地グルメとしても知られます。

この店の「タレカツ丼」はカツが3枚、キャベツの千切りや辛子も添えられ、これがサービスメニューとは思えません。

このように「斗香庵 HIGASHI」ではラーメンのメニューは絞ってクオリティを高め、「どんぶり」をいろいろラインアップ、飽きのこない食事を提供してくれます。
これぞまさに札幌ラーメンの新しい楽しみといえるでしょう!

店名:斗香庵 HIGASHI
住所:札幌市東区北10条東4丁目2-51
電話番号:011-704-4080
営業時間:9:50〜15:00(L.O.14:30)
定休日:水曜日
アクセス:地下鉄東豊線北13条東駅 徒歩7分

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札幌の“新世代”ラーメン:「らーめん佳」

地下鉄東豊線月寒中央駅すぐ近く、水源池通りに店を構える「らーめん佳(よし)」も新らしさを感じさせるラーメンです。

店内はカウンターのみ7席で、メニューは超シンプル。
「らーめん」(700円)と味玉をトッピングした「あじ玉らーめん」(850円)と「ライス」(100円)のみ。味噌ラーメンを中心に醤油・塩の3味をそろえる札幌のラーメンとは一線を画すスタイルで、メニューには「佳のらーめんは、和風だしのきいた醤油らーめんです」とあります。

カウンターからは目の前の丁寧な仕事ぶりが見られます。
丼をお湯で温めてから盛り付けをするなどはこだわりのポイントでしょう。

こだわりの「あじ玉らーめん」

こだわりの「あじ玉らーめん」

目の前に置かれた「あじ玉らーめん」は、大きめのチャーシューにメンマを挟んで白い刻み玉ねぎと青ネギが左右に配され、魚粉も乗せられます。

豚骨に鶏ガラをベースにしたスープは煮干し・カツオ・昆布という和風ダシが効いています。粘度を感じる口当たりは各食材から出たコラーゲン、濃厚に感じつつも後味のキレが良いのは無化調ならでは

“魚粉”も溶けこむ「和風だしスープ」

“魚粉”も溶けこむ「和風だしスープ」

そんなスープに合わせる「麺」も自家製で、程よい太さのストレート系。歯切れの良さは濃厚なスープとベストマッチングです。

玉ねぎのシャキシャキ感が心地よく味のアクセントになり、チャーシューは濃厚なスープとの相性を考えたやや控えめな味付けになっています。

最後は「おじや」風に!

最後は「おじや」風に!

サイドメニューの「ライス」も外せません。この店の濃厚スープによく合うからです。
チャーシュー&味玉もオンザライス、スープもかけていただきましょう!

「らーめん佳」は無駄なものを削ぎ落とし、シンプルながらそれぞれの持ち味を活かす札幌の「和風魚介系」ラーメンを代表する店なのです。

店名:らーめん佳
住所:札幌市豊平区月寒西1条7丁目8-19
電話番号:011-856-5632
営業時間:11:00〜15:00
定休日:月曜日・第1・3火曜日
アクセス:地下鉄東豊線月寒中央駅 徒歩2分

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札幌の“新世代”ラーメン:「辛いラーメン14」

「辛いラーメン14」とは何ともユニークな店名で、そのとおり “辛い” ラーメンが看板の店。
しかし “辛さ自慢” だけのラーメンならここで取り上げることはありません。この店には “新しさ” を感じさせるこだわりがあるのです。

店はすすきのの南寄り、鴨々川が目の前を流れる閑静な場所にあります。
入店したらまず券売機で食券を買いましょう。

一番人気は「辛味噌」の “辛さ3倍” 。辛さは「ぬき」から店名の由来である「14倍」が基本で、その上の「15〜20倍」(950円)も指定できます(辛さで値段が変わります)。

人気の「辛味噌」

人気の「辛味噌」

この店の “辛さ” へのこだわりは、まず「唐辛子」。北海道むかわ町「中澤農園」産唐辛子を使い、その香り高い風味とキレの良さを活かしています。その唐辛子に花山椒・桂皮・陳皮・長ネギ・生姜・ニンニクを加えて作る「自家製辣油」も味のポイントです。

“コクと辛み”のバランスが魅力!

“コクと辛み”のバランスが魅力!

スープは豚骨と鶏ガラにたっぷりの野菜を加えて取った「濃厚ダブルスープ」で、麺は自家製の道産小麦100%による中太ちぢれ麺。チャーシューは豚バラ肉をじっくり煮込み、自家製ダレに漬け込んだものを提供時に強火で炙って香ばしく仕上げています。

もうひとつの看板メニューが「スパイスラーメン」(900円〜)。

「スパイスラーメン」も名物!

「スパイスラーメン」も名物!

元々は札幌の人気スパイスカレー店とのコラボから生まれたメニューでしたが、人気を集めたことで現在はレギュラー入りしたものです。
昼にはライスがサービスになるのでスープに投入、“スープカレー” のように食べることをおすすめします。

「辛いラーメン」という押しの強いネーミングながら、ベースのラーメンはあくまで基本に忠実であることがおわかりいただけると思います。
そしてその “辛さ” は厳冬の札幌で体をポカポカに温めてくれるでしょう。これぞまさに “札幌ならでは” の新しいラーメンなのです!

店名:辛いラーメン14 南7条本店
住所:札幌市中央区南7条西2丁目2-22 豊水ビル1F
電話番号:011-596-6377
営業時間:11:00〜15:00、18:00〜23:00
定休日:月曜日
アクセス:地下鉄東豊線豊水すすきの駅 徒歩3分

<詳細記事はこちら>

広がる “札幌ラーメン” の世界を楽しもう!

“ラーメン” といえば札幌!
全国的にもラーメンの街としての位置を確保する札幌ですが、その伝統と歴史の流れは新しいラーメンを生み出してもいるのです。

今回はそんな観点から、「新世代」を冠するにふさわしいラーメン店をご紹介しました。
札幌定番の味噌ではなく、醤油を活かすスープやダシ、自家製麺にもこだわる店がこれまでにない札幌ラーメンのおいしさを提供してくれています。

ぜひご紹介した店を回っていただき、新たに広がる “札幌ラーメン” の世界を味わい、楽しんでくださいね!