札幌で寿司なら「ミシュラン星付き」店で!
札幌といえば北海道全域からの海鮮素材が集まるグルメ都市であることは言うまでもありません。
そんな街での海鮮グルメならやっぱり「寿司」ですね。
札幌にはおいしい寿司店がたくさんあります。その中で “究極の美味” ならば、評価の高い店を選びたい。その判断に参考になる情報が “グルメバイブル” として知られる「ミシュランガイド」でしょう。
北海道の飲食店を対象としたミシュランガイドとしては「2012年」と「2017年」のそれぞれ特別版が発行されています。
今回はその「ミシュランガイド 北海道2017特別版」において星を獲得しており、現在も札幌で営業している店(※)をご紹介します。
ほとんどの店が「おまかせ」のコース形態で一品料理系の「酒肴」と「寿司」の組み合わせになっているので、それぞれの店自慢の一品・一貫を取り上げてみました。
(※)2017年特別版で2つ星を獲得した「鮨一幸」は東京に移転のため対象外。住所変更のあった「姫沙羅」はそのまま2つ星獲得店としました。
記事の掲載順は星の多い順、同じ星の中では(ショルダーネームを除く)店名の五十音順としました。
【ミシュラン3つ星】
すし 宮川
「ミシュランガイド北海道2017特別版」で北海道の寿司店で唯一の3つ星を獲得している店が「すし 宮川」。その名声は国内のみならず海外にも轟きます。
店主の宮川政明氏は東京の有名店や海外でも研鑽を積み、故郷の北海道でこの店を開きました。その江戸前の技と繊細な仕事はコースの寿司と料理に見事な結実を見せてくれます。
前半の一品料理の中でもスペシャリテとして大人気の一品が「蒸しあわび」。
あわびは程よい食感に蒸し上げ、その肝と煮汁で作ったソースの絡みまで考えた包丁を施します。
最後に「シャリ」の小玉を追加すれば、あわびの旨味がたっぷりのリゾットに!
握りの「中トロ柵漬け」はマグロの酸味・旨味が “漬け” によりシャリと見事なバランスの味わいとなっています。
これぞまさに江戸前の伝統技といえるでしょう。
江戸前寿司の “締め” といえば「かんぴょう巻き」。
海苔とシャリの旨さを引き立て、もう一杯のお酒を呼ぶかもしれません。
そしてしっとり・ふんわりの「玉子」はケーキ風。デザートとして味わえますよ。
これらの寿司・料理はもちろんのこと。常に微笑みをたたえた大将の接客をはじめ、よく気のつく店員さんのホスピタリティも文句なし。さすがは3つ星!と感じさせてくれます。
店名:すし 宮川
住所:札幌市中央区北4条西25丁目2-2 リヒトラーレ円山 1F
電話番号:011-613-2221
営業時間:17:00〜19:15、19:30〜(2部制)
定休日:水曜日(不定休あり)
アクセス:地下鉄東西線西28丁目駅 徒歩3分
【ミシュラン2つ星】
鮨菜 和喜智
円山に店を構える「鮨菜 和喜智(わきち)」はミシュランガイド北海道でも2012年・2017年と連続して2つ星を獲得という高い評価を受けています。
厳選した北海道食材を中心に、独自のアイデアを盛り込んだ一品料理。こだわりのシャリとのマリアージュを重視した寿司を組み合わせたコースを仕立てています。
一品料理の出色は「茶碗蒸し」。
この日は毛ガニとムラサキウニとの組み合わせで、上にちょこんと乗せた本わさびを混ぜると全体が見事な調和と味わいを奏でるという仕組みでした。
この「水ダコ」は函館産。絶妙な塩加減がお酒にピッタリ。この2品が和喜智の “酒肴一・二番コンビ” となっています。
握りでは「キンキ」は定番中の定番。その理由はキンキの正式名「喜知次(きちじ)」がこの店「和喜智」の名の由来だからです。
それだけにキンキは徹底したこだわりで最高級ものを仕入れ、その皮目を炙って脂の旨味を引き出しており、なかなか他の店では味わえないレベルです。
マグロ「赤身漬け」も見事な色味に素材の持つ上質な香りと旨味が楽しめました。
そして締めの「玉子」はまさに “プリン” といえるほどの柔らかさとまろやかさで、デザートとしての役割をしっかり果たしてくれます。
店名:鮨菜 和喜智
住所:札幌市中央区南2条西25丁目1-22
電話番号:011-640-3768
営業時間:18:00〜20:00、20:30〜22:30(2部制)
定休日:月曜日(不定休あり)
アクセス:地下鉄東西線円山公園駅 徒歩5分
姫沙羅
円山にある「姫沙羅(ひめしゃら)」も2012・2017年とミシュランで連続2つ星を獲得しています。その2回の掲載時はすすきのに店を構えていましたが、その後閑静な現在の地に移転(※)しています。
メニューは「おまかせ」の1コースのみ。酒肴系の一品料理と寿司の組み合わせで構成されることは他の店と同様ですが、この店ではちょっと変わった提供方法になります。
一品目に「小鉢」(タチとエンガワの蒸し物)が出て、その後も酒肴系が続くかと思いきや、いきなり?寿司が提供されました。
「トロたく巻き」です。「今、ウチでは不動のトップバッターだよ!」と大将。
マグロの旨さはもちろん、海苔のパリッとした食感と香りも素晴らしいものでした。
その後も「白皮カジキ」に江戸前の代表「コハダ」と続き、「トロウニ」が登場。
これ別名が “反則巻き” という、大トロの上に根室産バフンウニという贅沢な一貫!
ここで「おっ!」と思わせる盆が目の前に置かれます。
これぞ姫沙羅名物のひとつ「飲兵衛セット」です。
内容はその日によって変わりますが、この日は8品の酒肴が並びました。
ナガスクジラ(日本初の超希少品!)・ホッキひも・あん肝・根ホッケ幽庵焼き・磯ツブ・タラコ・塩ウニ(シャリ添え)・サロマ牡蠣(粉醤油)
一般には前半が一品料理・酒肴で後半に寿司という構成ですが、大将曰く「前半に酒肴を出すとお酒ばかり進んでしまい、後半の寿司はしっかりと味わえなくなる」。
ゆえにまずある程度寿司を食べてもらって、コースの真ん中におつまみ類を提供しているとのこと。
後半(寿司)のメインでありこの店のスペシャリテは「ボタンエビ」の全部乗せ!
身を巻いた中央に味噌を入れ、その上に卵を乗せます。口の中でシャリと一体化。
大将曰く「意匠登録まで取ったウチのオリジナル」で、この店のコンセプトである「魚+米+旨=口内調理」を象徴しています!
【店データ】
正式店名:姫沙羅
住所:札幌市中央区南8条西20丁目1-2
電話番号:011-520-5656
(予約専用)090-6992-3247
営業時間:17:00〜、19:30〜(2部制)
定休日:水曜日
アクセス:地下鉄東西線西18丁目駅 徒歩10分
【ミシュラン1つ星】
鮨処 有馬
狸小路エリアの人気寿司店が「鮨処 有馬(ありま)」。
人気の理由は店主の和食技を活かした一品料理と徹底して道産魚にこだわる寿司、さらにミシュランガイドでも2012年・2017年と連続して星を獲得するという評価の高さによるものでしょう。
酒肴のスペシャリテで、トップバッターとして登場することも多い「大和蒸し」。
北海道の誇る高級魚キンキなどの海鮮食材と丁寧に取られた出汁をベースに大和芋を加えて蒸した一品。その深い味わいに心を鷲掴みにされること間違いなしです!
さらに北海道余市産のアンコウを使った「あん肝」。丁寧な裏漉しに奈良漬をブレンドし、食感と味わいを追求しています。
握りでは “朝獲れ” の「ボタンエビ」を湯引きしてプリプリの食感に。自慢のシャリとの相性が抜群です。
寿司といえばのマグロも道産にこだわり、この日の「中トロ」も函館戸井産。見事な脂の乗りでした。
札幌で “北海道らしい寿司” を味わうならここ「有馬」をおいて他には無いでしょう!
店名:鮨処 有馬
住所:札幌市中央区南3条西4丁目 南3西4ビル 4F
電話番号:011-215-0098
営業時間:18:00〜、20:30〜(2部制)
定休日:日曜・祝日
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩7分
すゝき野 鮨金
「すゝき野 鮨金(すしきん)」は店名のとおり、場所はすすきの。路地裏にひっそりと小さな看板を掲げます。
勉強熱心な店主は江戸前仕事にベースを置きつつ、独自のアイデアを加えたバリエーション豊かな酒肴・寿司が得意。
一品料理ではまず「茶碗蒸し」。この日は北海道雄武産毛ガニとフランス産ブルーチーズの組み合わせ。一見「?」と多いつつ口に運べばその見事な味わいに驚きます。
さらに「ホタテの卵巣」は厳選した個体を時期限定でしか出さないとのこと。味付けは “レバ刺し風” に。これぞあればラッキー!の一品です。
江戸前の技は「ハマグリ」でも発揮されます。その丁寧な火入れと漬け込み仕事はまさに伝統のもの。じっくり味わいましょう。
そして「ムラサキウニ」。この日は北海道産ながら、ほとんどが豊洲行きとなる「札付き」の高級品を確保。実はこれこそが銀座などの高級寿司店が挙って仕入れたがる逸品なのです。ここにも江戸前の味と香りがしっかり漂っていました。
「マグロ」も豊洲の有名仲卸の札付き。見事な脂乗りの中トロを2貫付けで!
厳選食材によるアイデア料理に江戸前寿司もしっかり味わえる。それがここ「鮨金」の良さといえるのではないでしょうか。
店名:すゝき野 鮨金
住所:札幌市中央区南4条西4丁目7 松岡ビル 1F
電話番号:011-251-9521
営業時間:18:00〜、20:30〜(2部制)
定休日:水曜日
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩2分
すし善 本店
札幌の寿司を語るとき、この店「すし善」は外せません。
東京の老舗江戸前寿司店で修行を重ねた嶋宮勤氏が昭和46年(1971年)に創業し、以来札幌の寿司界を牽引し続けている名店中の名店です。
「本店」「すすきの店」ともにミシュランガイドで星を獲得しています(ここでは「本店」をご紹介)。
その寿司は、江戸前の仕込み技を駆使しつつ道産の新鮮な魚を使った “蝦夷前” として知られます。その代表的な寿司タネが「ホッキ貝」。北海道特産ともいえる貝類で、軽く炙って旨味を引き出して握ってくれます。
そして江戸前といえば「コハダ」。刺身や煮魚で食べることがなく、酢で締めてこその魚。ゆえに寿司タネとして初めて存在を示す魚です。その味わい江戸前の技とこだわりを感じることでしょう。
すし善といえば、スペシャリテの一つが「トロたく」。
その名のとおりマグロのトロに沢庵を加えた海苔巻きのこと。この寿司はここ “すし善が元祖” とされています(諸説あり)。
そして「玉子」。
寿司のコースでは “締めの定番” となっていますが、すし善では伝統的な「鞍掛」スタイルで握ります。
これぞまさに江戸前を感じさせる “老舗の一貫” です。
店名:すし善 本店
住所:札幌市中央区北1条西27丁目2-7
電話番号:011-612-0068
営業時間:11:30〜14:30、17:30〜21:30(L.O.21:00)
定休日:水・木曜日
アクセス:地下鉄東西線円山公園駅(1番出口)徒歩3分
田久鮓

「G DINING」ビル6階にあります
すすきのエリアで有名なグルメビル「G DINING」その6階にある寿司店が「田久鮓(たくずし)」。
ここ札幌でミシュランガイドでの星獲得をはじめ、パリやロンドンでも同じく星を獲得する寿司店を展開する注目のグループに属します。
メニューは「おまかせコース」一本で前半は酒肴系の一品料理、後半が寿司となります。
一品目に登場した「きんきのしゃぶしゃぶ」。
北海道の高級魚を自家製のポン酢でいただく贅沢な一品。スタートから舌と胃袋をわし掴みにされます。
「あん肝の煮付け」は厳選のあん肝を甘辛くふんわりと煮付けています。塩とわさび、それぞれが味わいを深めてくれました。
握りのトップは「まつかわ」。
道産の “幻のカレイ” ともされる魚で、この店のシャリの旨さがよくわかる寿司タネです。
赤酢を使ったシャリは硬めの炊き上げで、口の中でホロリと崩れつつその食感とともにタネと融合します。
さらに「あじ」は見事な包丁の冴えがその旨味を引き出していました。シャリとのマッチングも素晴らしい。
最後の「玉子」はカステラ風。熱いお茶とともに、デザート的にいただけます。
握りはどのタネにも見事な包丁が施され、魚の旨味と食感の良さを引き出し、この店独特のシャリと融合していました。
店名:田久鮓
住所:札幌市中央区南3条西3丁目3 G DINING SAPPORO 6F
電話番号:011-211-1206
営業時間:17:30〜22:00(L.O.)
定休日:不定休
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩3分
寿し ひでたか
「寿し ひでたか」はすすきのの南エリアにひっそり店を構え、穴場的な雰囲気を漂わせていますが、寿司通の注目を集める人気店です。
店主は札幌の名店「すし善」で20年以上修行を重ねた腕利き。
職人として今まさに脂の乗った基本に忠実ながら独自の創意を盛り込んだ料理・寿司が味わえます。
おまかせコース前半の酒肴類は刺身系を中心に、仕事も施した味わいを楽しませてくれます。
中でも「キンキ」は網走の “釣り物” にこだわり見事な一品。その脂乗りはこの日の出会いに感動するはずです。
「甘エビ」は仕込みをしたエビのミソを少しずつ集めて殻と煮たものも添えてくれます。これぞ “お酒泥棒!” とでも言いたくなる味わいです。
握りでは本マグロの「大トロ」を “漬け” で。大トロの脂と醤油の旨味の相乗効果により、さらなる味わいが迫ってきます!
さらに「穴子」は江戸前の本場もの “羽田産” を確保。
その身質の良さは、ふんわりとした煮上がりに表れていました。
店名:寿し ひでたか
住所:札幌市中央区南7条西4丁目 延寿堂 1F
電話番号:011-200-0677
営業時間:18:00〜23:00
定休日:日曜日
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩5分
まる鮨
「まる鮨(○鮨)」は30年以上の歴史を持つ、すすきのでは老舗格の寿司店です。
初代が作り上げた “蝦夷前寿司” に、現2代目主人が東京の名店で腕を磨いてその味を融合。新たな「まる鮨」の寿司に昇華させています。
おまかせコースは前半の酒肴と後半の寿司という組み合わせですが、トップバッターだけは不動で「アジ」の握りが務めます。
大ぶりなアジを握ったら半割にして提供。その食感といい、味わいといい、先頭打者の役目を十分に果たしてくれました。
コースの中でも「きじ焼き」は知る人ぞ知る、伝統の一品。
現店主の修行先系列で長年愛されるスペシャリテ!
カリッと焼いた穴子を特製のタレでいただきます。北海道らしく山わさびを添えるなどは、店主のオリジナリティです。
「数の子」も大人気の酒肴。
天日干しものを1週間かけて戻し、噛むと「ポリッ!」という音。そして数の子の旨味が後を追ってきます。お酒が何杯も進んでしまう酒肴です。
魚卵にはこだわりがあり、寿司にも「イクラ」や「タラコ」が登場します。
イクラは柔らかさを保つ仕込みで、その食感と味わいは札幌随一のお墨付き!
さらにタラコは高級店ではまず見かけない寿司タネですが、この店 “専用の道産特注物” を使い、北海道を感じさせてくれます。
店名:まる鮨
住所:札幌市中央区南6条西4丁目4
電話番号:011-552-6266
営業時間:12:00〜(火〜土2日前までに要予約)、18:00〜21:00
定休日:日曜日・祝日
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩5分
札幌を代表するミシュラン星付きの名店で、こだわりの寿司を味わおう!
“札幌を代表する” ともいえるミシュランガイドで星を獲得する寿司店をご紹介しました。
どの店もミシュランで高い評価を受けるだけのこだわりを持っており、それを体験するのも札幌での寿司グルメの楽しみといえるでしょう。
ぜひ、この記事を参考にし各店のこだわりの寿司を味わってみてください。
サツメシの詳細記事もリンクを付記しましたので、こちらもチェックしてくださいね!