札幌グルメならジンギスカン!有名店から穴場までおすすめの店7選

札幌グルメならジンギスカン!有名店から穴場までおすすめの店7選

札幌ではラーメン・スープカレーと並ぶご当地グルメである「ジンギスカン」。
今回は “札幌でジンギスカンを食べるならここ!” とおすすめする店を厳選してご紹介します。
加えてジンギスカンの歴史や食べ方・肉の種類などの豆知識もまとめているので、お店選びの参考にしてください。

ジンギスカンの歴史

第一次世界大戦以降、輸入できなくなった羊毛の国内生産のために「緬羊百万頭計画」が打ち出され、全国5カ所のうち北海道には札幌月寒と滝川の2カ所に種羊場が開設されました。
これをきっかけに羊肉の活用法(食肉)として「ジンギスカン」が誕生することになり、月寒と滝川がその後のジンギスカン文化における重要な位置を占めるようになります。

独特な「ジンギスカン鍋」

独特な「ジンギスカン鍋」

種羊場のあった札幌の月寒では(現在北海道農業専門学校を運営する)八紘学園の創設者である栗林元二郎が旧満州から現地の鍋を持ち帰り、その鍋で羊肉を焼きタレを付けて食べるようになったことがジンギスカンの始まりとされています。

その流れから昭和28年(1953年)月寒に「成吉思汗倶楽部」が発足、ここでの “羊肉を焼いてからタレに付ける” 食べ方はその場所に因んで「月寒式」や「札幌式」、あるいは(タレの付け方から)「後付け」「後ダレ」タイプなどと呼ばれるようになりました。

一方、同じく種羊場のあった滝川では松尾羊肉株式会社の創業者が、羊肉を “特製のタレに漬け込む” 製法を考案しています。これを広く提供するために昭和31年(1956年)「松尾ジンギスカン」を開店、ピーク時には北海道内に250店舗を展開(昭和51年1976年当時)するに至り、ジンギスカンの食文化を確立する一翼を担いました。

事前に羊肉をタレに漬け込むことから「漬け込み」「味漬け」「味付け」タイプ、あるいは発祥場所から「滝川式」や「空知式」(滝川は空知地方にある)とも呼ばれます。

この2つのジンギスカンがその後のジンギスカン料理を広く発展させ、現在まで続いているのです。

ジンギスカンの種類

食べ方による種類

前項「ジンギスカンの歴史」の中でもご説明したように、ジンギスカンにはその食べ方によって大きく2つに分類されます。
切り分けた肉をそのまま焼いてタレに付けて食べる「後付け」タイプと、予め肉を特製のタレに漬け込み、味を付けておく「漬け込み」タイプです(ともに複数の呼び方がありますが、ここでは代表的な名称で統一します)。

「後付け」用の羊肉

「後付け」用の羊肉

前者は肉の質感や旨みをダイレクトに味わえ、後者では漬け込むことで肉の臭みが取れて食感も柔らかくなるという特徴があります。
現在札幌では「後付け」タイプの店が主流となっていますが、松尾ジンギスカンも北海道はじめ東京に5店舗、さらにFC展開も行っており、店舗数では負けないほどの勢力を誇っています。

「漬け込み」タイプの羊肉

「漬け込み」タイプの羊肉

ほとんどのジンギスカンはこのどちらかのタイプですが、北海道名寄市などの一部地域では「煮込み」タイプと呼ばれる食べ方もあります。

ジンギスカンに使われる肉の種類

羊肉は細かい定義(永久門歯の本数など)もあり、国によってもそれが異なります。
例えば生後の年数でいえば1年未満の仔羊の肉が「ラム」と呼ばれ。羊肉特有の臭みやクセが少なく食べやすいとされています。
それ以上(生後1年)の成羊肉が「マトン」で、羊肉独特の香りと味(コク)が特徴です。

厳密な分類ではありませんが生後2年未満、あるいは永久歯の本数で分類した場合にラムとマトンの中間に存在する羊を「ホゲット」とする場合もあります。
ラムのクセのなさとマトンのコクを持ち合わせていることで、これを特に好む人もあって、あえて「ホゲット」としてメニューに載せている店もあります。

高品質な「生ラム」

高品質な「生ラム」

羊種による分類の他に、肉の流通状態による違いもあります。
一般のジンギスカン店で使われる羊肉は国産のものはごく少量で、ほとんどが輸入物になります(主にオーストラリア・ニュージーランド)。輸入物なので冷凍で流通するものが多くなりますが、一部はチルド(冷蔵)のもので、その場合特別に「生」をつけて呼ばれます(生ラムなど)。

根強いファンも多い「ラムロール」

根強いファンも多い「ラムロール」

一部のジンギスカン店で見られるロールタイプの肉は「ラムロール」(稀にマトンロール)と呼ばれ、部位の小さい羊肉独特の加工法でした。
冷凍のものがほとんどですが、札幌などで古くからジンギスカンを食べている方には “ソウルフード” 的な位置付けになっています。

希少な「サフォーク種」の羊肉

希少な「サフォーク種」の羊肉

最近では、“羊の品種の違い” を売りにする店も増えてきました。
輸入羊肉はオーストラリアの「メリノ種」やニュージーランドの「ロムニー種」などが知られますが、これらは品種で謳われることはまずありません。しかしイギリス原産で肉専用種である「サフォーク種」は肉質の良さで高い評価を受けていますが流通する量はごく少量なため、この品種を扱うことを看板に掲げている店もあるほどです。

札幌のジンギスカンおすすめ店

最後に、札幌の数あるジンギスカン店の中から厳選した「おすすめの店」をご紹介します。
特に肉の種類や食べ方の特徴に重点を置いてセレクトしています。
気になった店は、リンク先のサツメシ記事で詳細をご覧になってください。

1.だるま:知名度・人気ともナンバーワンに君臨する店

札幌で “ジンギスカンといえば「だるま」” とされるほど、その知名度は高く、店の前は常に行列という人気ナンバーワンの名店です。
創業65年を超え、常に他の店の目標ともされてきた老舗中の老舗でもあります。
そのジンギスカンは「後付け」タイプ。これは他のジンギスカン店にも影響を与え、現在では札幌で主流の食べ方となっています。
肉は「生のマトン」。クセの強いといわれるマトンですが、だるまのマトンは驚くほど食べやすく深いコクがあります。
札幌のジンギスカン、たくさんの店がありますが、ここ「だるま」だけは外すことのできない名店です。

(店データ)
店名:成吉思汗 だるま 本店
住所:札幌市中央区南5条西4丁目 クリスタルビル 1F
電話番号:011-552-6013
営業時間:17:00〜23:00
定休日:年末年始のみ
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩5分

<サツメシ記事>

2.ふくろう亭:生ラムで人気、「月寒式」を標榜

札幌のタレ後付け方式、別名「月寒式」を謳う人気の店が「ふくろう亭」です。
すすきの中心部から少し離れた場所ながら、連日満席という人気の理由は「月寒式」で食べる「生ラム」の旨さ。
後付けの月寒式ならではのタレにこだわり、16種類ものスパイスを配合して作るほど。
肉もタレももちろんながら、札幌のジンギスカン店に多いカウンター席ではなく、テーブル席で皆楽しそうに食べている風景がこの店らしさを表しています。

(店データ)
店名:ふくろう亭
住所:札幌市中央区南8条西5丁目 キャピタルYMDビル 1F
電話番号:011-512-6598
営業時間:17:00〜21:30
定休日:月曜日
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩8分

<サツメシ記事>

3.さっぽろジンギスカン 本店:生ラムジンギスカンの草分け

ジンギスカンといえばマトンが普通だった頃から高級「生ラム」にこだわり続ける店。それが「さっぽろジンギスカン 本店」です。
店内では、目の前で大きなラム肉の塊を包丁で手切りして提供してくれます。色鮮やかな高級生ラム肉は、その柔らかさにしっかりした旨みをも内包しています。
ここで使われている肉は「アイスランドラム」〜「ニュージーランドラム」と変わり、現在のメニューには「最高ランクサホーク種ラム」と明記されています。
羊が変われど相変わらずの旨さ。それがこの店のジンギスカンです。

(店データ)
店名:さっぽろジンギスカン 本店
住所:札幌市中央区南6条西6丁目7-1 第6観光ビル 1F
電話番号:011-512-2940
営業時間:17:00〜22:20
定休日:水曜日(最新情報はホームページ等でご確認ください)
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩6分

<サツメシ記事>

4.『いただきます。』:自社農場生産のサフォーク種専門店

この店、ウリの文句が「ジンギスカン、羊飼いの店」。つまり “牧場=羊飼い” が直営するジンギスカン店なのです。
それだけでも珍しいのですが、提供する肉は希少肉の「サフォーク」。
それも自社牧場の生産ゆえ、メイン(モモ・バラ肉など)以外にもレバー・ハツ・ミノなどの「内臓系」を食べられるのがこの店の大きなメリットです。
これら希少部位は“売り切れ御免”の限定品なので、確実に食べるなら早い時間での訪問をおすすめします。

(店データ)
店名:『いただきます。』
住所:札幌市中央区南5条西5丁目1-6
電話番号:011-552-4029
営業時間:11:00〜22:30
定休日:無休
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩3分

<サツメシ記事>

5.アルコ:狸小路の隠れ家で味わう生マトン

札幌で人気の商店街「狸小路」の7丁目、昭和の雰囲気を漂わせる区域にジンギスカンの店「アルコ」があります。
この店で提供する羊肉は「生マトン」。クセもあるがコクが深い、そんなマトンの良さを最大に活かしたジンギスカンが地元民に人気です。
ご主人は隣接する人気のラーメン店「一徹」も経営しています。
夜は居酒屋にもなる一徹で人気の「羊の筋煮込み」はジンギスカンの余剰部位を活かした一品で、もちろんこの店でも味わうことができます。

(店データ)
店名:ジンギスカン アルコ
住所:札幌市中央区南3条西7丁目3
電話番号:011-221-7923
営業時間:17:00〜22:00(日曜日は〜23:00)
定休日:月曜日
アクセス:地下鉄大通駅 徒歩10分

<サツメシ記事>

6.松尾ジンギスカン:滝川式を代表するジンギスカン一方の雄

北海道のジンギスカン発祥地のひとつ、滝川を代表する店が「松尾ジンギスカン」。
クセの強い羊肉を特製のタレに漬け込むことで、食べやすく旨みも引き出した「滝川式(漬け込み)」の元祖です。「だるま」など札幌の「月寒式(後付け)」とともにジンギスカン文化を牽引してきた名店として、北海道では圧倒的な知名度を誇ります。
「松尾ジンギスカン 札幌駅前店」は、数あるグループ店の中でもおすすめの一軒。
札幌の地下歩行空間に直結したビルにあり、雪の多い札幌でもアクセスしやすく使い勝手がよいからです。

(店データ)
店名:松尾ジンギスカン 札幌駅前店
住所:札幌市中央区北3条西4丁目1-1 日本生命札幌ビル B1F
電話番号:011-200-2989
営業時間:11:00〜15:00、17:00〜23:00
定休日:年末年始
アクセス:地下鉄さっぽろ駅 徒歩3分

<サツメシ記事>

7.義経:家庭的な雰囲気で伝統的なジンギスカンを

札幌にあるジンギスカン店の中でも、家庭的な雰囲気が魅力で人気の「義経」。
創業60年にならんとする老舗ですが、店は気取ることなく気軽に食事を楽しませてくれます。
毎日黒板に書かれる「おすすめメニュー」には煮魚や餃子、天ぷらなどが並び、これらをカウンターで味わっている常連さんの姿も見かけます。
ジンギスカンは伝統のマトン「漬け込み」タイプ。
特製ダレに柔らかく漬け込まれたマトン肉は驚くほどクセが少なく、旨味がしっかり感じられます。これに「味噌ホルモン」と「ラムシャブ」を加えて、義経の“3大メインメニュー”となります。

(店データ)
店名:義経
住所:札幌市北区北7条西5丁目
電話番号:011-716-6801
営業時間:17:00〜22:30
定休日:日・祝日
アクセス:JR札幌駅 徒歩5分

<サツメシ記事>

札幌の代表的グルメ「ジンギスカン」を楽しもう!

札幌でおすすめのジンギスカン店を厳選してご紹介しました。
まずは好みの店を1軒見つけましょう。それが札幌グルメである「ジンギスカン」を楽しむ第一歩だからです。
そして今回紹介の7軒を訪問したなら、ジンギスカンの食べ方や肉の種類もひと通り体験した“ジンギスカン通”になっているはずです。