“スペシャリテ” で呑める札幌の寿司店10選!:酒肴編

“スペシャリテ” で呑める札幌の寿司店10選!:酒肴編

近年札幌の寿司店では「おまかせ」コースの流行もあってか、寿司以外に一品料理を充実させる店が増える傾向です。
元々札幌には北海道の各地から新鮮な食材が日々集まり、その調理の専門家でもある寿司店では札幌ならではの料理を提供することができる強みがあります。
今回はそんな中から各店の “スペシャリテ” といえる一品料理・酒肴類を厳選してご紹介しましょう。
寿司好きはもちろん、お酒好きにもたまらない逸品ぞろいですよ!

なお、掲載内容は筆者訪問時のものであり、仕入れや食材の旬に合わせて変更になる場合もあることをご了承ください。

まる鮨:伝説の「きじ焼き」と北海道らしい「数の子」

札幌すすきのの人気店「まる鮨」には知る人ぞ知る“酒肴”があります。
まずは「きじ焼き」

知る人ぞ知る“伝説の一品”

知る人ぞ知る“伝説の一品”

これは東京下北沢にある「小笹寿し」“伝説の職人” と呼ばれた先代が生み出した一品で、「穴子」を生地のまま香ばしく焼き上げ粉山椒+醬油ダレで味をつけたもの。

小笹寿しの銀座店で修行したまる鮨の店主はこれを受け継ぎつつ「山わさび」を添えるなど北海道らしいアイデアを加え、まさにこの店の “スペシャリテ” としています。

さらに「数の子」も外せません。

誰もが驚く“深い味わい”

誰もが驚く“深い味わい”

天日干しされた数の子を1週間かけて戻したもので、その食感と深い旨味の融合は絶妙。この数の子が提供されると店内で “コリコリ” と噛む音が響くのもこの店ならではです!

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宮川:全国からこの味を求めて集まる「蒸し鮑肝ソース」

札幌の円山北エリアに店を構える「すし 宮川」はミシュランガイド北海道2017特別版において札幌の寿司店で唯一 “3つ星” を獲得した名店です。

その名店で “スペシャリテ” として絶大な人気を誇る一品が「蒸しアワビと肝ソース」

全国のグルメが注目する一品

全国のグルメが注目する一品

丁寧に蒸し上げた蝦夷アワビをその煮汁を使ったクリーミーなソースでいただきます。
程よい歯応えのアワビは噛むほどに旨味が高まり、ソースは濃密ながら肝が主張しないという絶妙な仕上げ。

残ったソースにはシャリを入れてリゾット風にいただきます。

まさに“二度おいしい!”

まさに“二度おいしい!”

ご主人は「これだけを食べに北海道まで足を伸ばしてくれるお客様もいらっしゃいます」と微笑みながら仰っていました。

まさにそれが納得と言えるこの店のスペシャリテです!

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鮨ノ蔵:これぞ真骨頂!「タチ」の酒肴

札幌で席確保の困難さではトップクラスという店が「鮨ノ蔵」
有名グルメ芸能人が訪問し絶賛したことで、その名が全国に広まったのです。
その席はmaxで5席。常連は訪問時に次の予約を入れていくことも多く、ますます席を取りにくい状況が続きます。

この店のメニューは「おまかせ」のみで、前半がおつまみ系、後半が寿司でしれぞれ9品ほどの構成です。

クリーミーな「タチ」

クリーミーな「タチ」

その前半に登場する「タチ」は北海道では “真鱈(マダラ)の白子” のことで、一般にも「タチポン」として茹でてポン酢でいただく料理が親しまれています。
この店では「低温調理」にして味わいを濃厚に、昆布の出汁も忍ばせます。その食感はまさにクリーミー

そして続くのが「フライ」

驚きの“冷製フライ”

驚きの“冷製フライ”

フライと言っても熱々に揚げたものではありません。タチに加えてパン粉と油を事前調理して最後に “冷製” として合わせて仕上げます。
言わば「冷たいフライ」なのです。その “旨味” を引き出す見事な手法、これぞまさにこの店の真骨頂!といえるでしょう。

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弐ノ蔵:円山でも味わえる「数チー」

「鮨ノ蔵」の2号店として円山に開店した店が「弐ノ蔵(にのくら)」
当初は「鮨ノ蔵」系穴場店として知られていましたが、今では堂々たる円山の人気店としてその評価を確たるものにしたといえるでしょう。

もちろん鮨ノ蔵直伝の一品もいただけます。
中でも「数の子クリームチーズ」はあまりに有名なまさに “スペシャリテ”
数の子の旨味にチーズの塩気がバランスを取り、隠し味のトリュフオイルが香りと滑らかさを倍増させています。

“鮨ノ蔵マニア”にはお馴染み

“鮨ノ蔵マニア”にはお馴染み

その他、愛媛の漁師指定の「しらす」を函館の「アスパラ」に合わせるなど、全国からも厳選の食材を仕入れ、独自の組み合わせで楽しませてくれますよ。

「さすがは “変態鮨”(褒め言葉)の2号店!」そう思わずにはいられない魅力的な寿司店です。

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寿し ひでたか:厳選の素材から作った「エビみそ」

札幌すすきので寿司なら「寿し ひでたか」は外せません。
ご主人は札幌でも有名な老舗店で修行し独立。今やミシュランの星付きという評価を得るまでになりました。

こだわりは「良いものを厳選していろいろと」にあるようで、見栄えより少量でも “間違いのない味” を優先。「おまかせ」コース前半の酒肴類は北海道の厳選された地物の海鮮類にひと手間かけて仕上げたものが並びます。

この僅かな「エビみそ」が抜群!

この僅かな「エビみそ」が抜群!

中でも「甘エビ」は一見地味な装いですが、味は抜群。
この日は道内羽幌産の甘エビを丁寧に昆布締めにし、剥いた殻と一緒に煮込んで作った「エビみそ」を添えてくれました。

このエビみそがまさに “お酒泥棒” と呼べるほど日本酒にピッタリ。
ほんの少し添えられた「みそ」がここまでの広がりを見せる。さすがの “技” を感じさせてくれる一品です。

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鮨しののめ:人気の組み合わせを酒肴で「あん肝奈良漬」

札幌で今注目される寿司職人の一人が「鮨しののめ」の中原さん。東京での修行の後に故郷の北海道に戻りこの店を開店しました。

道内東川町の実家で作る米を使い、地元の名水を取り寄せてシャリを炊き上げるなど北海道へのこだわりを見せる一方、魚は旬の良いものを全国から取り寄せています。

人気の組み合わせを酒肴で!

人気の組み合わせを酒肴で!

「おまかせ」コース前半の酒肴には「あん肝+奈良漬」の一皿が登場。近年握り寿司でも人気の組み合わせですが、それをおつまみで味わえます。
この日は余市産のあん肝に奈良漬、刻んだ干し無花果(イチジク)を加え、赤酢のソースで仕上げてくれました。

これがお酒によく合うこと間違いなし!この店のスペシャリテとしておすすめの一品です。

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鮨 やしろ:こだわりの自家製「鯨ベーコン」「ハモ梅干添え」

円山でコスパ抜群のランチが人気の寿司店「鮨 やしろ」
もちろんディナーもおすすめです。
「おまかせ」のコースもありますが、予算次第で内容を変更できます。

その中でぜひ味わって欲しい酒肴が自家製の「鯨のベーコン」。創作系を得意とするこの店らしく、ランチの握りにも登場する一品です。

絶妙の肉質!

絶妙の肉質!

赤身と脂のバランスが良く、口の中でそれが旨味に変わります。お酒にも良く合うまさにイチ押しの酒肴といえるでしょう。

「梅干し」は自家製にこだわり

「梅干し」は自家製にこだわり

さらにもう一品、どうしても外せないのが「鱧(ハモ)の梅干添え」
旬の鱧に自家製の「梅干し」を添えたもので、入手できる梅干しに満足できず自家製にしたとのこと。
確かにそのキレの良さは鱧にピッタリ、これまたお酒が進んで困りますよ!

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鮨 しょう太:思わず”ニヤリ”名店仕込みの「あん肝最中」

2022年末に札幌に登場した新星店、それが「鮨 しょう太」です。
店主は東京銀座の有名高級店の店長を任された腕利き。独立後故郷の北海道でこの店を開きました。

東京時代から「マグロ」にこだわることで知られ、北海道でも豊洲ナンバーワンと言われるほどの仲卸から仕入れる極上品です。

一見普通の「最中」ですが

一見普通の「最中」ですが

その「おまかせ」コースには素晴らしい酒肴類が並びますが、極め付きは「あん肝最中」。店主の修行先でも人気の一品を大将のアイデアも加えて展開するものです。

中には「あん肝スペシャル」!

中には「あん肝スペシャル」!

最中生地の中にあん肝、この日はクリームチーズにハスカップソースの組み合わせ(内容は変わることもあります)。

ニキヒルズワイナリー「はつゆき」とのマリアージュ

ニキヒルズワイナリー「はつゆき」とのマリアージュ

そしてこれを余市仁木町「ニキヒルズワイナリー」の白ワイン「はつゆき」とマリアージュで楽しみました。

何ともこれがベストマッチ!まさに “至福の時” が待っていました。

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鮨 八つ葉 円山:呑み好きにはたまらない!「酒肴プレート」

「鮨 八つ葉 円山」は道東中標津の名店「鮨わたなべ」が展開する札幌支店の一軒(すすきの店もあり)。
北海道の恵まれた海鮮食材と江戸前の仕事を組み合わせた独自の「蝦夷前」寿司を掲げます。

乾杯は中標津の「牛乳」で!

乾杯は中標津の「牛乳」で!

地元中標津の「牛乳」でする乾杯は町の “乾杯条例” に基づくもの。

「おまかせ」コースに入るとお酒によく会う一品がいろいろ登場。

思わず“迷い箸”の「酒肴プレート」

思わず“迷い箸”の「酒肴プレート」

中でも「酒肴盛り合わせプレート」は自家製カラスミ味噌漬け・たらこ醤油漬け・ほっき貝と昆布の有馬煮・葉わさび漬け・フルーツトマト土佐酢・黒豆とズラリ。

お酒好きには何ともたまらないセットです。
そして中標津産の牛乳で作った自家製「アイス」で締めるのも、まさにこの店ならでは!といえるでしょう。

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すし開:最後の一杯!を誘う「だし巻き玉子」

「すし開(かい)」は札幌の名店「すし 宮川」で片腕を務めた寺田さんが宮川の移転後、その店舗を引き継いで独立開店した新進の店です。
宮川仕込みの腕は揺るぎなく、宮川流の料理・寿司が楽しめます。
イカに施す細かい包丁や中トロの柵漬け、車海老の重ね握り、小鉢でリゾット風にいただくウニなどなど。

ライブ感溢れる「だし巻き玉子」

ライブ感溢れる「だし巻き玉子」

独自の創意を盛り込んだ一品が「だし巻き玉子」
これが何と目の前で焼いてくれるライブ感あふれるスタイル!
寿司店に多いカステラ系やエビすり身入りではなく「だし巻き」にこだわり、焼き上がったらこれも出汁の効いた「餡」をかけてくれます。

このひと皿がお酒と相性抜群で、締めの料理ながら思わず「お酒もう一杯!」と注文してしまうほどの味わいです。

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札幌の寿司店で“スペシャル”な酒肴と銘酒を味わおう!

札幌の寿司店で味わえるおすすめの「酒肴」をご紹介しました。
今の札幌には北海道の各地から集まる新鮮な魚介類を使った一品料理や、お酒によく合う酒肴類を用意する店が増えていることがお分かりいただけたと思います。

その中から各店の “スペシャリテ” と呼べる逸品は「他の店では食べられない、それを食べるためだけに訪れても損はない」といえるものばかり。
ぜひ各店の「サツメシ」詳細記事もご参照の上、その店が誇るスペシャリテを味わってみてくださいね!